いざ探そうとすると、事業所はたくさんあってどこを選べばいいか迷いますよね。僕が実際に体験・調査した就労移行支援の中から、特に「じっくり準備したいあなた」にこそ知ってほしい、おすすめの事業所を7社厳選してご紹介します。あなたにぴったりの「最初の相談相手」を見つけるための、道しるべにしてください。

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「もう手遅れかも…」年齢の壁に悩むあなたへ。発達障害の私が就労移行支援を勧める理由
「自分に合う働き方を見つけたいけど、何から始めればいいか分からない…」
「もう30代(40代)だし、今から新しいことを始めるなんて、本当にできるんだろうか…」
診断を受けて少し前向きになれたものの、今度は年齢という新しい壁が、あなたの前に立ちはだかっていませんか?
その気持ち、痛いほど分かります。僕も、40歳中盤になってから、この道を探し始めました。だから断言できます。30代、40代からの再スタートは、決して遅くありません。むしろ、これまでの人生経験があるからこそ、見つけられる道があります。
【きのやんのおすすめ】目的別・タイプ別 おすすめ事業所紹介
PCスキルやビジネスマナーを基礎から学び、安定した環境で自分のペースで着実に働きたいあなたへ
サポート内容が充実していて、実績も豊富。「どこがいいか分からない」と迷ったら、まずはこの3つ事業所がおすすめです。
二人三脚の徹底サポートで、「今度こそ」を実現したいなら → ココルポート
こんなあなたにこそ、絶対おすすめ!
過去の職場で人間関係に疲れ果て、「もう誰とも話したくない…」と感じているあなたにこそ、ここの個別相談を体験してほしいです。支援員さんはあなたの話を絶対に否定しません。「あなたのせいじゃない」という安心感の中で、もう一度、人と関わる自信を取り戻すきっかけをくれるはずです。
きのやんの視点
他の事業所にない良い点:「定着率89.7%」という驚異的な数字が、サポートの手厚さを物語っています。「就職して終わり」ではない、その後の人生まで見据えた支援は、転職を繰り返してきた僕にとって非常に魅力的に映りました。交通費や昼食の補助といった金銭的サポートがあるのも利用する側としては嬉しいポイントです。
障害特性に合わせたポイント:600種類以上という圧倒的なプログラム数が強みです。僕のように感情のコントロールが苦手なADHD傾向の人には「ストレスマネジメント」の講座が、ASD傾向で疲れやすい人には「セルフケア」の講座が、といったように、自分の特性にピンポイントで合うプログラムが必ず見つかるはずです。
僕が体験してよかった・悪かったポイント:僕が体験した時、一番感動したのは「あなただけの支援計画」を本当に親身になって考えてくれる姿勢でした。マニュアル通りではない、血の通ったサポートを求めるならここです。唯一残念な点を挙げるとすれば、事業所がまだ首都圏や大都市が中心なこと。もしお近くにあれば、ぜひ一度その温かいサポートに触れてみてほしいです。
きのやんの推しポイント
「今度こそ、長く働きたい」。その切実な願いを、専門の支援員が「二人三脚」で伴走しサポートしてくれます。マニュアル通りではない、血の通ったサポートを求めるならここです。また交通費や昼食の補助といった金銭的サポートもあり利用者に嬉しい事業所です。
障害のある社員1400人超が活躍してるバックボーンを活かしたいなら → ミラトレ
こんなあなたにこそ、絶対おすすめ!
僕のように、転職を15回以上も繰り返してきたあなたへ。「どうせ、またすぐ辞めてしまうんだろう…」そんな不安を、ここは吹き飛ばしてくれます。「就職」をゴールにせず、「働き続ける」ことを一緒に目指してくれる。今度こそ、最後の転職にしたいと心から願うあなたのための場所です。
きのやんの視点
他の事業所にない良い点:「定着率97%」という驚異的な数字と、人材業界大手「パーソルグループ」のノウハウが最大の強みです。特に、転職サービス「doda」と連携しているため、求人の質と量が豊富です。また障害を持つ社員1400人超が活躍している自社ネットワークのノウハウがある安心感。
障害特性に合わせたポイント:実際の職場を模した環境で訓練を行う「擬似就労」は、非常に実践的です。環境の変化が苦手なASD特性を持つ人でも、本番の就職前に職場の雰囲気に慣れることができます。
僕が体験してよかった・悪かったポイント:転職を15回も繰り返してきた僕にとって、「長く働き続ける」というコンセプトと、そのための手厚い定着支援は非常に魅力的に映りました。ただ、グループワークもあるため、一人でずっと黙々と作業していたい人には、少し窮屈に感じるかもしれません。
きのやんの推しポイント
「次こそは、長く働きたい」。その切実な願いを、人材業界のプロが本気で応援してくれます。
圧倒的な求人情報と、徹底した定着支援。また障害のある社員1400人超が活躍している自社ネットワークを活かして
あなたの「最後の転職活動」を、ここから始めてみませんか?
ビジネススキルを一から総合的に学びたい方へ → welbe(ウェルビー)
こんなあなたにこそ、絶対おすすめ!
就労経験はなく、ビジネススキルを一から学びたいと考えているあなたへ、または障害が分ってからまた一からビジネススキルを学びたいと考えているあなたへ。welbe(ウェルビー)では企業からビジネス上で求められているスキルを一から総合的に学べるカリキュラムが充実しています。実際に仕事で必要なスキルが身に付くカリキュラムで就職後の不安を払拭します。
きのやんの視点
✔ 他の事業所にない良い点:welbe(ウェルビー)は31都道府県に事業所があり、事業所のあるエリア数は業界トップクラスの全106センターという数は他の追随を許しません。また開設以来、障害者就職において累計5,915名の就職者数を誇る実績をあげております。※2023年3月現在。
✔ 障害特性に合わせたポイント:ウェルビーのカリキュラムは大きく分けて、①仕事をする上で土台となる力、②仕事のスキル、③企業で生きる力、で構成されております。また生活のリズムを整える「生活トータルサポート」や、自己コントロール力を身に着け、気持ち穏やかにする「セルフケアプログラム」など、発達障害をもつ人も安心して取り組めるプログラムがここにはあります。
✔ 僕が体験してよかった・悪かったポイント:一言でいうと総合力でしょうか。前述したように、社会にでて仕事をしていく上で必要なビジネススキルから、実務能力を養うPCスキルをはじめ、障害を持つうえで対処が難しいマインドコントロールなどを習得できるセルフケアプログラムなど総合的に充実しているイメージです。ただ懸念点をあげれば、メリットでもあるのですが大手で事業所の数も多く、支援者の数も多い為、事業所の雰囲気や支援者との相性の問題も出てくるかもしれません。
きのやんの推しポイント
「もう失敗したくない」「今度こそ、ちゃんとした会社で安定したい」…その切実な願いに、業界トップクラスの実績と情報量で応えてくれるのがwelbe(ウェルビー)です。あなたの「最後の転職」を、多くの就職を支援してきたプロに任せてみませんか?
ここまで、総合的なサポートが手厚い事業所をご紹介しました。まずはこうした場所で、生活リズムを整え、自分の特性と向き合うのが王道です。
でも、就労移行支援の素晴らしいところは、それだけではありません。
僕がそうだったように、職業適性検査などを通して、これまで自分では気づかなかった「才能」や「新たな可能性」が見つかることもあるのです。
もしあなたが、「ただ就職するだけでなく、何か専門的なスキルを身につけたい」「自分の『好き』を仕事にしてみたい」と少しでも思うなら、ITやWebといった専門分野に特化した、こんな事業所も視野に入れてみてください。
Webデザインや動画編集、AI・データサイエンスなど、特定のスキルを深く学び、専門家として活躍したいあなたへ
Neuro Dive(ニューロダイブ)
こんなあなたにこそ、絶対おすすめ!
「自分はゼネラリストではなく、何か一つのことを深く突き詰めるスペシャリストになりたい」そう感じていませんか?もしあなたが、知的好奇心が強く、論理性やデータを重視し、最新のテクノロジーに興味があるなら、ここはまさに天職を見つける場所かもしれません。得意と苦手がはっきりしている「凸凹」な特性こそ、ここでは大きな武器になります。
きのやんの視点
✔ 他の事業所にない良い点:僕のように、ASDの「こだわり」や「パターン認識能力」が強い人にとって、プログラミングやデータ分析はまさに天職かもしれません。また、ADHDの「過集中」という特性も、一度ハマれば驚異的な集中力を発揮するIT分野では、大きな武器になります。Neuro Diveは、僕たちのそんな「凸凹(でこぼこ)」を、弱みではなく「才能」として捉え、社会で高く評価される専門スキルへと昇華させてくれる場所です。
✔ 障害特性に合わせたポイント:説明会に参加しましたが、その専門性の高さと、受講生の皆さんの「好きを仕事にするんだ」という熱気に圧倒されました。定着率が96.9%と非常に高いのも、ただ就職させるだけでなく、その後のキャリアまで見据えたサポート体制がしっかりしている証拠だと感じます。
✔ 僕が体験してよかった・悪かったポイント:「AI・データサイエンス」という、他を寄せ付けない圧倒的な専門性です。就職者の80%がIT関連職で、データサイエンティストとして年収500万円以上も目指せるという実績は、まさに「未来の仕事」に直結する訓練内容の証明です。ただ懸念点としては本気でITスペシャリストを目指す覚悟がないと、そのレベルの高さについていくのは大変かもしれません。「なんとなくIT」という気持ちでは、挫折してしまう可能性もあるでしょう。
きのやんの推しポイント
あなたの「好き」や「こだわり」が、これからの社会で最も必要とされる「専門スキル」に変わる。AIやデータサイエンスは、間違いなく将来性のある分野です。その未来への切符を、ここで手に入れてみませんか?あなたの「凸凹」は、ここでは才能です。
atGPジョブトレ IT・Web
こんなあなたにこそ、絶対おすすめ!
「一般企業はもうこりごりだけど、何かを作る仕事には興味がある…」そんなあなたにぴったりです。僕のように、デザイナー時代にパワハラで自信を失った経験があっても大丈夫。ここは、あなたの「好き」や「得意」を、もう一度信じさせてくれる場所です。未経験からでも、Webという新しい世界に挑戦できます。
きのやんの視点
✔ 他の事業所にない良い点:僕のようにクリエイティブなことに関心がある人にとって、Webデザインなどを体系的に学べるのは非常に魅力的です。ASDの「過集中」という特性を、コーディングやデザインといった作業に良い形で活かせます。また、明確なカリキュラムがあるので、「何をすればいいか分からない」という不安に陥りにくいのもポイントです。
✔ 障害特性に合わせたポイント:体験した際、カリキュラムが非常に実践的で、卒業生の作品レベルも高いと感じました。ここを卒業すれば、確かなスキルが身につくという確信が持てます。
✔ 僕が体験してよかった・悪かったポイント:「転職のプロatGP」と「クリエイティブ教育のプロであるデジタルハリウッド」がタッグを組んでいる点です。これは他にはない強力な布陣。企業が本当に求めている実践的なスキルを、質の高い教材で学べるので、就職への最短ルートを走れる感覚があります。ただ懸念点としては、良くも悪くも「就職予備校」的な側面が若干強いので、「自分のペースでゆっくり」というよりは「目標に向かって仲間と切磋琢磨する」という環境に近いと思いました。その熱量が合う人には最高ですが、合わない人には少しプレッシャーに感じるかもしれません。
きのやんの推しポイント
ゲームやイラスト、動画編集…ただの趣味だと思っていたそのスキルが、ここでは『仕事』に変わります。社会では評価されなかったあなたの『好き』を、プロの技術に育て上げ、自信を持って社会に再挑戦する。そんな逆転劇を、ここから始めてみませんか?
通勤のストレスや、対人関係の不安を最小限にしたい。自宅という安心できる環境で、自分のペースで学びたいあなたへ
毎日の通勤や、人混みの中での対人関係。それだけでエネルギーを使い果たしてしまう…そんなあなたには、自宅※という最も安心できる環境で、自分のペースで学べる在宅訓練が、社会復帰への大きな力になるはずです。
manaby(マナビー)
こんなあなたにこそ、絶対おすすめ!
「通勤するだけで、HPがゼロになる…」感覚過敏や体力的な不安で、外に出ること自体が大きなハードルになっているあなたへ。在宅※で学べるこの場所は、まさに救世主です。誰にも邪魔されない安心できる環境で、自分のペースで、社会復帰への第一歩を踏み出せます。
きのやんの視点
✔ 他の事業所にない良い点:対人関係のストレスや、音や光への感覚過敏に悩む人にとって、自宅※という最も安心できる環境で学べるメリットは計り知れません。自分のペースで学習できるeラーニングは、ADHDの「注意散漫」な特性を持つ人でも、繰り返し視聴することで知識を定着させやすいという利点もあります。
✔ 障害特性に合わせたポイント:資料請求をしたのですが、1500以上の動画コンテンツがあるなど、eラーニングのカリキュラムが非常に充実している印象でした。ただ、全てがオンラインで完結するわけではなく、支援員さんとの対話も重視しているとのこと。完全に一人で進めるわけではない、という安心感はありました。
✔ 僕が体験してよかった・悪かったポイント:なんと言っても「在宅訓練」※という、他にはない選択肢です。これは、僕たちのような発達障害当事者にとって、社会復帰へのハードルを劇的に下げてくれる、本当に素晴らしい仕組みだと思います。一方で、懸念点としては、やはり在宅※がメインなので、ADHDの僕のように「誰かに見られていないと、ついサボってしまう…」というタイプは自宅でゴロゴロしてしまうかもしれません。強い自己管理能力が問われるかもしれません。
※在宅の可否は自治体によります
きのやんの推しポイント
「通勤」という毎日の戦いに、もう疲れ果てていませんか?manabyの在宅訓練は、そのストレスからあなたを解放してくれます。あなたの部屋を、社会と繋がるための一番安心できる場所に変えてみませんか?
発達障害に特化したプログラムを受けながら、同じ悩みを持った仲間たちと一緒に続けていける、そんな場所がほしいあなたへ
「就職スキルも大事だけど、その前に、まずは自分のことを深く理解したい」「今度こそ、長く働き続けたい」…そう強く願うあなたには、特性の理解と、就職後の定着支援に徹底的にこだわった事業所がおすすめです。
atGPジョブトレ 発達障害コース
こんなあなたにこそ、絶対おすすめ!
「発達障害は周りに誰も理解者がいない」と、孤独を感じていませんか?ここでは、あなたと同じ悩みを持つ仲間と出会えます。「あるある!」と笑い合えるだけで、心がどれだけ軽くなるか。自分の「トリセツ」を仲間と一緒に作っていく、そんな貴重な経験があなたを待っています。
きのやんの視点
✔ 他の事業所にない良い点:発達障害の特性に特化したプログラムが組まれているので、自分の悩みの根本原因にアプローチできます。「なぜ、自分はこうなのか?」という長年の疑問に、専門的な視点から答えを与えてくれる場所です。
✔ 障害特性に合わせたポイント:見学した際、利用者の方々が安心して過ごしている雰囲気が印象的でした。同じ悩みを持つ仲間と出会える環境は、何よりの心の支えになります。ただ、専門性が高い分、他の障害の方との交流は少ないかもしれません。発達障害という自分の特性と、とことん向き合いたい人向けの場所だと感じました。
✔ 僕が体験してよかった・悪かったポイント:「発達障害専門」という安心感は絶大です。就職者の94.5%が事務職という高い実績は、オフィスワークを目指す人にとって大きな希望になります。逆に言うと懸念点としては、発達障害ではない精神障害をお持ちの方が利用されると支援内容が合わないと感じるかもしれません。
きのやんの推しポイント
「自分だけがおかしいんじゃないか」…そんな孤独な戦いは、もう終わりにしませんか?あなたの「普通」が、ここでは「当たり前」になる。そんな安心できる場所が、ここにあります。
【参考】それでも僕が移行支援を選ばなかった理由
僕が診断から再就職までの間、就職(転職)に向けてのある程度の準備の必要性があったなら、間違いなくこの就労移行支援の道を選んでいたと思います。それでも僕が継続支援を選んだのは、当時の僕が、15回以上の転職で心身ともに疲れ果て、とても働ける状態ではなかった事、夫婦2人だけで僕は妻の扶養に入っており、収入は二の次でもいいから自身の障害特性を生かせるリハビリの場が欲しかったから、あらゆる診断を経たうえで継続支援でやっていた内容が、自分にたまたま合っていたから。というのが主な理由です。
就労移行、就労継続、転職エージェント、どのサービスが優れているか?ではありません。大切なのは、自分は何がやりたいのか?診断結果や自身の適正検査の結果を元に、「今」のあなたの置かれている状況を冷静に判断し、最終的にどの選択肢が最も自分に合っているか。で選んでみてください。
大切なのは、比較検討すること
いかがでしたか?少しでも気になる事業所は見つかりましたか?
ここで一番お伝えしたいのは、一つの事業所だけ見て決めるのではなく、少なくとも2〜3つの事業所の見学や体験に行き、ご自身の目で比較検討することです。
実際通える距離なのか?事業所の雰囲気や、支援員さんとの相性は?など行ってみないと分かりません。面倒くさがらずに、この「比較検討」という一手間をかけることが、後悔しないための最大の秘訣です。
あなたの人生は、あなたのものです。その小さな一歩が、あなたが想像もしなかった未来へと繋がっているかもしれないのですから。