コンテンツへスキップ

【体験談】精神障害者保健福祉手帳の取得方法を分かりやすく解説!メリット・デメリットは?



発達障害って診断されたけど、障害者手帳の申請って正直、抵抗があるな・・・。
持つと何か不利になるんじゃないか?どんなメリットがあるのか、よく分からない…。

その気持ち、すごくよく分かります。僕も、手帳を持つことには大きな葛藤がありました。でも、正しく理解すれば、手帳は「レッテル」ではなく、あなたを守る「お守り」になるんです。



こんにちは、きのやんです。

発達障害と診断された後、多くの方が直面するのが「障害者手帳を取得するかどうか」という、大きな決断です。僕自身、最初は戸惑い、躊躇しました。

このページでは、僕が実際に精神障害者保健福祉手帳を取得した経験をもとに、手帳を持つことのリアルなメリットと、多くの方が不安に感じるであろうデメリット(というか、誤解)について、そして具体的な申請方法まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。

そもそも「精神障害者保健福祉手帳」って何?

まず、「障害者手帳」にはいくつかの種類がありますが、発達障害の当事者である僕たちが関係するのは、主に「精神障害者保健福祉手帳」です。

精神障害者保健福祉手帳とは?

精神疾患(発達障害も含まれます)により、
長期にわたり日常生活や社会生活への制約があることを
証明するためのもの


これは、あなたが「障害のある当事者である」ということを公的に証明する、いわば「身分証明書」のようなものです。
障害の程度によって1級から3級までの等級があります。


ここで多くの方が混乱するのが、「障害福祉サービス受給者証」との違いです。ざっくりと、役割の違いを理解しておきましょう。

  • 障害者手帳:あなたが「障害のある当事者であること」を証明するもの。
  • 受給者証:あなたが「特定の福祉サービスを利用すること」を許可するもの。

つまり、手帳は「身分証明書」受給者証は「サービスの利用許可証」と考えると分かりやすいです。就労支援サービスを利用するには、基本的にこの「受給者証」が必要になります。

>> 「障害福祉サービス受給者証」の詳しい解説はこちら


手帳を取得するかどうかを判断する上で、一番気になるのがこの点だと思います。僕が感じたことも含めて、正直にお話しします。


メリット

税金の控除・減免(所得税、住民税など)

公共料金などの割引(交通機関、公共施設など)

障害者雇用枠での就職・転職が可能になる

就労支援など福祉サービスの利用がスムーズになる

いざ困った時、障害を持っている事の証明(印籠のようなもの)になる

デメリット(と、よくある誤解)

「障害者」というレッテルを貼られる感覚

職場や周りの人に知られてしまうのではないかという不安

生活の中でいろいろ支障が出るのではないかという不安

(誤解)一度取ったら返せないと思っている

(誤解)必ず会社に提出しないといけないと思っている



【きのやんの視点】一番大事なこと

デメリットの欄に書いた不安、僕も全部感じていました。でも、ここで一つ、絶対に知っておいてほしいことがあります。
それは、「手帳を持っていることを、自分から言わない限り、会社や他人に知られることはない」ということです。生活するうえで一切支障はありません。
障害者雇用枠に応募する場合を除き、手帳を持っていることを会社に報告する義務は一切ありません。手帳は、あなたが必要な時にだけ使える「切り札」であり「お守り」なんです。このことを知ってから、僕の心はすごく軽くなりました。


【4ステップで解説】手帳の申請から発行までの流れ

では、具体的にどうすれば手帳が手に入るのか。僕が実際に経験した流れに沿って解説します。

Success

主治医に相談する

まず、通院している精神科や心療内科の主治医に「精神障害者保健福祉手帳を申請したい」と相談します。手帳の申請には、医師が作成した「診断書」が必須だからです。初診日から6ヶ月以上経過していることが、診断書を書いてもらうための条件となります。

Success

市区町村の窓口で申請書類をもらう

主治医の許可が下りたら、お住まいの市区町村の「障害福祉課」などの窓口へ行き、申請に必要な書類一式をもらいます。診断書の用紙もここでもらえます。

Success

書類を準備して提出する

窓口でもらった申請書に自分で記入し、医師に作成してもらった診断書、顔写真(縦4cm×横3cm)、マイナンバーカードなど、指定された書類を揃えて、再び窓口に提出します。

Success

審査を経て、手帳が交付される

提出した書類をもとに審査が行われます。審査には少し時間がかかり、僕の場合は**約2ヶ月**ほど待ちました。無事に交付が決定すると、自宅に通知が届き、後日窓口で手帳を受け取ることができます。


まとめ:手帳は「レッテル」ではなく、あなたを守る「お守り」

障害者手帳を持つ、持たない。これは、非常に個人的で、デリケートな決断です。どちらが正解ということはありません。

でも、もしあなたが今、過去の僕のように一人で悩み、社会との壁を感じているのなら、手帳はあなたに「一人じゃない」という安心感と、「新しい道」へ進むための具体的な選択肢を与えてくれる、心強い味方になってくれるはずです。

使いたくない時は、そっとしまっておけばいい。でも、いざという時には、あなたを助け、守ってくれる。そんな心強い「お守り」を手に入れるつもりで、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

【きのやんの視点】僕が手帳を持って、実際に感じていること

正直なところ、手帳を取得する前は僕もかなり身構えて、躊躇しました。でも、実際に手にしてみると、その必要は全くなかったと感じています。
今では、ごく当たり前の様に使用しています。

確かに、バスを降りる時などに提示する必要があるので、人前で見せることに抵抗がある方もいるかもしれません。(バス会社や映画館などでは手帳ではなくミライロIDという障害者用アプリの画面を見せればよい場合もあります)でも、僕自身は全く気になりません。なぜなら、経済的なメリットが本当に大きいからです。税金が控除されたり、美術館や映画館などの公共施設や民間の施設も多くが半額(時には同伴者1名まで無料!)で利用できたり、前述した福祉サービスが無料(※前年の世帯年収による)で利用できたりします。

それに、先ほどもお話しした通り、自分から見せなければ周りの人に障害者だと知られることはありません。だから、何も気後れする必要はないんです。最終的に、手帳を持っていることは、僕にとって大きな「安心感」に繋がっています。