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はじめの一歩:僕が精神科のドアを叩くまで
診断を受けるメリットとデメリット


もしかして、自分も発達障害かも…?


その気持ち、痛いほど分かります。僕も、40年間ずっとそうでしたから。


このブログにたどり着いたあなたは、僕の失敗だらけの経歴を読んで、そう感じているのかもしれません。
仕事が続かない。人間関係がうまくいかない。なぜか、みんなと同じようにできない。その「生きづらさ」の正体が分からず、暗闇の中で自分を責め続けている。
このページでは、そんな僕が、どうやって重い腰を上げて精神科のドアを叩いたのか。そして、勇気を出して診断を受けた結果、僕の人生がどう変わったのか。診断を受けることのメリットだけでなく、僕が感じていた不安やデメリットも含めて、包み隠さずお話ししようと思います。もしあなたが今、病院に行くべきか迷っているのなら、この記事が、あなたの背中をそっと押すきっかけになれたら嬉しいです。


なぜ、僕が「診断」を勧めるのか?

病院に行くのが怖い…もし診断されたら、人生が終わりな気がする…

僕も全く同じでした。でも、今なら断言できます。

  あの時、勇気を出して診断を受けて本当によかったと。


なぜなら、診断は「お前はダメな人間だ」という”烙印”では決してなく、「自分を幸せにするための取扱説明書”」を手に入れるための、最初のステップだったからです。

希望のイメージ

From Adobe stock


① 「自分のせい」という呪いから解放された

最初のきっかけは、僕の現在までの軌跡【第1話】、でもお伝えしている通り、新聞の記事で「大人の発達障害」というものを知った事から僕のすべては始まりました。その記事に書かれていた特性が、いままでの僕の人生の中で失敗してきた要素とすべて同じだったからです。

仕事が長続きしない
・人間関係をうまく築けない
・場の空気が読めず、失言が多い
・些細なことでカッとなり、キレてしまう

 などなど

主に僕が社会に出てから、毎回のように人間関係をこじらせ、自滅していく自分は「何故なんだ!」とずーっと思ってきました。
そして、その記事を見た時、正直、驚きました。そして最初は認めたくなかったのですが、いままでの経緯から直感で「おそらくそうかもしれない」と感じる自分もいました。そして戸惑いながらも思い切って最寄りの精神科に電話予約を入れたというのが始まりです。

診断が下りた瞬間、僕が最初に感じたのは、絶望ではありませんでした。それは、「安堵」でした。
長年、僕を苦しめてきた数々の失敗。それは、僕の努力が足りなかったからでも、性格が悪かったからでもなかった。ただ、脳の”特性”が原因だったんだ。

「自分のせいじゃ、なかったんだ…」


そう思えた時、40年間ずっと僕の肩に重くのしかかっていた、鉛のような荷物がスッと消えていくのを感じました。自分を責めるのをやめられたこと。
それが、僕にとって何より大きな救いでした。

② やっと、人生のスタートラインに立てた

診断を受ける前の僕は、例えるなら「地図もコンパスも持たずに、嵐の海をさまよう船」のようなものでした。どこに向かえばいいのか分からず、ただがむしゃらにオールを漕いでは、同じ場所をぐるぐる回るだけ。診断は、僕に初めて「地図」と「コンパス」を与えてくれました。

  • 自分の得意なこと、苦手なこと。
  • 自分がどんな環境なら輝けるのか。
  • どんな時に、心が不安定になるのか。

自分の特性という「現在地」が分かったことで、初めて「じゃあ、これからどっちに進めばいいんだろう?」と、具体的な人生の航路を考えられるようになったのです。


診断を受けるメリットと、僕が感じていたデメリット

もちろん、きれいごとばかりではありません。診断を受けることには、メリットもあれば、当然デメリット(というか、不安や恐怖)もあります。

メリット

自分を客観的に理解できる

周りの理解を得やすくなる

福祉サービスを利用できる

「合理的配慮」を求められる

デメリット(と僕の不安)

「障害者」というレッテルへの恐怖

診断にかかる費用や時間

「もし違ったら」という不安

デメリットの障害者というレッテルへの恐怖は、僕の場合は、診断後の安堵感の方が強かった為、まったく気になりませんでした。また仮に障害者手帳を取得したとしても、周りにそれを見せなければ、周りの人はあなたを「障害者」だと分かりません。その為、あなたの特性を配慮してもらいたいと思う環境の時だけ開示すればよいのです。またはどうしても周りに自分が障害をもっていると分かってもれえないと、不利な状況になる時だけ開示すればよいのです。


診断の鍵となる「WAIS-IV検査」とは?

WAIS-IV(ウェイス・フォー)検査とは
WAIS-IV(ウェイス・フォー)とは、成人用のウェクスラー知能検査WAISの改訂第4版のことで、世界で広く使用されている、大人のための知能検査です。
発達障害の診断の際には、問診とあわせてこの検査が用いられることが非常に多くあります。この検査では、言語性IQ(言葉を扱う能力)、動作性IQ(目で見たものを処理する能力)、そして総合的な知能を示す全検査IQという3つのIQが分かります。さらに、「言語理解」「知覚統合」「作動記憶(ワーキングメモリ)」「処理速度」の4つの群指数も測定でき、一層多面的な把握や解釈が可能です。

医師の診断とあわせてWAIS-IV検査を受ける重要性
発達障害の診断は、単に「ASDです」と名前が付くだけでは意味がありません。大切なのは、その後の人生の「攻略本」を手に入れることです。WAIS-IV検査は、まさにその攻略本の最も重要なページになります。なぜなら、この検査を受けることで、なぜあなたが特定の場面で困難を感じるのか、その根本的な原因を具体的なデータで突き止めることができるからです。「なんとなく苦手」だったことが、「ワーキングメモリの数値が低いから、複数の指示を覚えるのが苦手なんだ」というように、客観的な事実として理解できるのです。

僕のWAIS-IV検査結果と、そこから見えてきた強み・弱み
僕の検査結果を一言でいうと、「言葉を扱う能力は非常に高いが、目で見た情報を処理したり、複数の情報を同時に記憶するのが極端に苦手」というものでした。具体的には…

強み:言語能力が非常に高い(人に何かを教えたり、説明したりするのが得意)
弱み:ワーキングメモリが極端に小さい(耳で聞いた指示をすぐに忘れる、複数の作業を同時にできない)
弱み:知覚統合が低い(目で見たものの違いや関係性を見つけるのが苦手)

この結果を見た時、僕は愕然としました。これまでの人生の失敗が、全てこの「脳のクセ」で説明できてしまったからです。この客観的なデータこそが、その後の僕の仕事選びの、最も重要な羅針盤となったのです。


診断にかかる費用や時間

発達障害の診断にかかる医療費は僕の場合、保険適応で1回数千円程度~5千円程度(薬代含め。WAIS検査は別途費用負担あり(自治体により補助あり))かかり、その後も定期的な通院も必要となったため費用は定期的にかかりました。(現在も通院中。今は薬の服用はしていない)。ただ「発達障害」と診断されたり、何らかの障害が認められた場合、お住まいの自治体の「自立支援医療制度」を利用することで、医療費の自己負担を大幅に減らせるという、大きなメリットもあります(僕も今も利用し、助かってます)。


【はじめの一歩】病院を探し、ドアを叩くまで

「よし、病院に行ってみよう」そう思っても、次は何をすればいいか分かりませんよね。僕もそうでした。

Success


Success


Success



最後に、一歩を踏み出せないあなたへ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
精神科のドアを叩くのは、本当に勇気がいることです。でも、そのドアの先には、あなたが想像しているような暗闇はありません。

そこにあるのは、「自分のせいじゃなかったんだ」という安堵と、「これから、どう生きるか」を考えるための、新しいスタートラインです。

僕の失敗だらけの人生が、あなたのその一歩を後押しできることを、心から願っています。

診断を受けて、次のステップへ進みたいあなたへ

そして、もしあなたがすでに診断を受けている、あるいは自分の進むべき道を具体的に考えたい段階にいるのなら。僕がどうやって自分の特性と向き合い、自分に合った働き方を見つけていったのか。あなたの状況に合わせた「最初の最適な一歩」はどれなのか。その具体的な答えを、以下の記事で詳しくお話ししています。


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