「また、仕事辞めちゃった…」
履歴書にまた一行、短い職歴が増えていく。周りの友人たちは、着実にキャリアを積み上げているのに、自分だけが社会から取り残されていくような感覚。
そんな焦りと自己嫌悪で、押しつぶされそうになっていませんか?
もし、あなたが今、そんな風に自分を責めているのなら、少しだけ僕の話を聞いてください。何を隠そう、僕自身が15回以上も転職を繰り返し、どこへ行っても長続きしなかった張本人だからです。
でも、40歳を過ぎて発達障害の診断を受けた今なら、はっきりと分かります。仕事が続かなかったのは、決して「あなたのせい」だけではなかった、ということが。この記事では、僕の壮絶な失敗談を通して見えてきた、「仕事が続かない」本当の理由と、そこから抜け出すための思考法についてお話しします。

なぜ仕事が続かないのか?「あなたのせい」ではない3つの理由
かつての僕は、仕事がうまくいかない原因のすべてが、自分の「甘え」や「努力不足」にあると思い込んでいました。しかし、発達障害という視点から自分の過去を振り返ると、そこには明確な「続かない理由」があったのです。
理由1:相手の意図や周りの空気が読めない、人間関係の壁
僕が何度も職場を去る、最大の原因はこれでした。その時の状況や空気を読めず、いつも突っ走っったり、場にそぐわない発言をしたり、何気ない一言で人を傷つけたり、いつもそんな感じで浮いていました。いわゆるトラブルメーカってやつです。
理由2:自分は敏感なのに、相手に鈍感な壁
自分の心の中は少女の心のように敏感なのに、相手の些細な表情の変化や、言葉の裏にある感情には、驚くほど鈍感でした。良かれと思って言った一言が相手を深く傷つけたり、冗談が通じずに真に受けて怒ってしまったり。この「自分と他人との感覚のズレ」が、気づかぬうちに人間関係に深い溝を作っていました。
理由3:五感が疲れ果てる、環境の壁
朝の満員電車の人混み、オフィス内の猛々しいコール音、暑すぎる社内、どこかで聞こえる上司の叱責の声、全てが僕にとっては耐え難い苦痛でした。これは「感覚過敏」という特性によるものですが、当時はそんなこととは知らず、「自分が異常に神経質なだけだ」と思い込んでいました。
「もう辞めない」ために僕が実践した3つの思考法
診断を受け、自分の特性を理解したからといって、すぐに仕事がうまくいくわけではありません。そこから、僕が「長く働く」ために意識するようになった、3つの思考法をご紹介します。
思考法1:まわりの理解ある環境で働く
これが一番重要です。
僕が仕事が続かなかった最大の原因は、障害への理解がない環境で、「普通」の人と同じように振る舞おうと、無理をし続けていたからです。本当の自分を隠し、周りに合わせようと必死になる。そんな毎日では、心がすり減ってしまうのは当然です。しかし、障害者雇用など、自分の特性を理解してくれる環境を選ぶことで、不要なストレスなく、ありのままの自分で働くことができます。自分の弱みを隠さなくても良い場所を見つけること。それが、長く働き続けるための、何よりの第一歩なのです。
思考法2:「自分」を説明する言葉を持つ
僕が15回も転職を繰り返したのは、自分のことを誰にも、そして自分自身にさえも、うまく説明できなかったからです。「僕は、こういう特性を持っています。だから、こういう配慮をしてもらえると、もっと力を発揮できます」と。この「自分の取扱説明書」を持つことが、周りの理解を得て、働きやすい環境を自分で作るための、最強の武器になるのです。
思考法3:「苦手」から逃げる勇気を持つ
「苦手なことを克服しろ」と、僕たちは教えられてきました。でも、発達障害の「苦手」は、努力でどうにかなるものではありません。ならば、いっそのこと、真正面から戦うのをやめてみる。電話応対が苦手なら、電話のない職場を探す。マルチタスクが苦手なら、一つの作業に集中できる仕事を選ぶ。その「戦略的撤退」こそが、僕たちの生きる道です。
あなたの「生きづらさ」の正体を知るために
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
もし、あなたがこの記事に書かれていることに一つでも「自分のことだ」と感じたのなら。その「仕事が続かない」原因は、決してあなたの努力不足や、性格のせいではないのかもしれません。僕がそうだったように、あなた自身の脳の「特性」が、関係している可能性もあります。
「自分のせいじゃないかもしれない」そう思えた時、僕の人生は、本当に楽になりました。
次に、大人の発達障害を詳しく知りたい方向けのページと、次の具体的な第一歩に踏み出したい方向けのページを作成しましたので、どちかご自身の状況に合わせてお進みください。
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