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発達障害当事者が教える、就労移行支援事業所や転職エージェントなどを選ぶ際に確認しておきたい8つのポイント

不明点イメージ

実際に発達障害を持つ自分が民間の就労移行支援事業所や転職エージェントサービスなどの就労支援サービスを選ぶ際、どういったポイントに気を付けていけばよいかを私の経験から述べていきたいと思う。

 

・就労移行支援事業所を選ぶ際の確認すべき5つのポイント

 

・障害者向け転職エージェントサービスを選ぶ際の確認すべき3つのポイント

 


 発達障害は仕事ができない、仕事が続かないと嘆く前に活用したい
就労支援サービスフローチャート



就労移行支援事業所を選ぶ際の確認すべき5つのポイント

 

①福祉サービス自己負担額を確認する(交通費やランチ代も確認)


就労移行支援事業所を利用する際に、利用者1人当たりの福祉サービス利用料金が設定されており、利用者自身は費用の1割を負担し、残りの9割は国、都道府県、市町村が負担する仕組みとなっております。そして障害福祉サービスの利用料は前年の世帯収入(所得)に応じて、自己負担額は上限が定められいます。(詳しくはお住まいの自治体に確認)
私の体験談でさいたま市の例を挙げて説明しているので良ければ参考にしてください。

大人の発達障害である私の就労支援事業所 体験入所 part1

まず本人が利用するにあたり、福祉サービス自己負担額がいくらなのかを確認する必要がある。
概ねは月々無料で利用できる方が殆どであるようだが、私の体験談でも述べているが、配偶者がいる場合は前年の世帯年収(所得)に応じて上限額が決まっている為、前年度の世帯年収(所得)を調べると同時に福祉サービス負担上限額がいくらかなのかも確認しておこう。
ただこれは入る就労支援事業所に聞いても分からない(前年の世帯年収を知る必要がある為)ので、お住まいの自治体の福祉課や年金課などの窓口に直接確認をすること同時に世帯年収も調べる必要があるので窓口の係の方にどうすればよいか?確認しておくと良いだろう。私の場合は福祉課の担当者経由で年金事務所かどこかに照合してもらい確認をとった記憶がある。

就労移行支援事業所に通いだすと、原則、交通費やランチ代は支給されないので自分で払わなければならない。週のうち少ない日数なら負担が多くないが、週5日など通う場合は交通費とランチ代だけでバカにならないからだ。(私の場合は障害者手帳でバス代が半額になるのと、節約の為、毎日弁当を持参している)
その為、合わせてその事業所までの月あたりの交通費とランチ代も事前に算出しておく事をおすすめする。そしてその実費(交通費、ランチ代)と福祉サービスの自己負担額の合計額で利用可能かを判断するように。就労支援事業所に通っている間は原則、就労は禁止されているので収入がない状態で出費だけが増えるのでその点注意する。

 

②自宅から通える距離であるかを確認する

就労移行支援事業所に通うという事は、遊びに行くのではなく就労できるようにする事、すなわち就労に向けたトレーニングである事を忘れてはならない。自身の障害の特性や症状、そして現在の体調をしっかり把握してそれに応じた支援を受ける必要がある。

その為、しっかりと社会活動が行えるように自分で体調を管理できなければ就労につなげる事はできない。なので就労移行支援事業所選びは会社選びと同じように、ちゃんと自宅から通える距離にあるか?を重視する必要がある。中にはリモート参加のカリキュラムなども織り交ぜている事業所もあるかと思うが、福祉的観点から言えば、利用者は通常の社会活動と同じように「しっかりと(通勤)通える」かどうかに重きを置く、これは就職する企業側の考えも正に同じである。しっかりと休みなく通う=休みなく勤める事ができるか?は就労企業も最重要視しており最低限出来ていなければならないからだ。その為、事業所選びで(通勤)通所可能かどうか?もあくまでも就労に向けた重要なポイントなのだ。

その為、ちゃんと自宅から毎日通える距離にある事業所を選ぶことが重要である。

 

③利用する移行支援事業所のサービスの内容を確認しておく

実際、就労移行支援事業所利用にあたり、その事業所のサービス内容は当然確認しておかなければならない。
就労移行支援事業所は原則、最長2年まで利用可能であり実際就職まで長く利用する事になるので、ここは体験利用の時にしっかりと押さえておきたいところだ。それではいくつかポイントをあげる。

自分のうけたい就労支援メニューはあるか?
この点は当然と言えば当然であるが、自分が支援を受けたい内容(例えば事務職を目指していてMSオフィス系を使う仕事をしたければ、それ向けのカリキュラムや資格取得支援制度など)があるか?充実しているか?は最重要確認ポイントと言えよう。自分のやりたい事、障害特性に合わせたカリキュラムをやれなければ、就職につなげることも難しくなってくるのでこの点は押さえておきたい。さらに就労移行支援事業所で就職を目指している方は、就労後の社会性の向上やコミュニケーション円滑の為のSSTや認知行動療法などのプログラムも重要となってくるので、そういったカリキュラムやプログラムも受けられるか?というところも確認しておきたいポイントである。

また就労移行支援事業所とあわせて、福祉就労の位置づけである就労継続支援事業所を選ぶ際には何はさておき「自分がやりたい、やってみたい支援プログラムがあるか?」が重要となる。就労継続支援事業所のメニューは多岐にわたり、最近では特化型のカリキュラムを導入する会社も増えている。そういった特化型の内容と自分のやりたい事が一致しているかは最重要ポイントである。

・カリキュラムのスケジュールに無理はないか?
厳密にいうと決められたカリキュラムスケジュール内で、自分が受けるカリキュラムを無理なく受ける事ができるか?自分側の問題が強い。利用者の中には、全て受けたいからと全て受ける方がいらっしゃるが、そうなると体調管理もさることながら、結局どっちつかずとなり、疲れて、カリキュラムなどに参加できなくなってしまう方も中にはいる。なので自分のやりたい事をできる範囲で選択していくことが重要となってくる。

・リモートでの参加は可能か?
コロナ禍により企業の多くはリモートでの業務を取り入れている。就労移行支援事業所でもカリキュラムの多くはオンラインでの講義や収録型の講義を実施している所も少なくない。受けるカリキュラムや講義によってリモートで受講可能であれば、柔軟性をもって参加する事が可能だ。
上記にあげたように福祉サービス的観点や就労支援の目標としては「しっかりと会社(事業所)に通勤(通所)できる」事に重きを置いてはいるものの、このような時代において受けられるカリキュラムによってはリモートでの参加の可否により利便性が大きく変わってくる為、押さえておきたいポイントの一つである。

 

④就労移行支援事業所の場合、過去の就職実績、就職例を確認する

就労移行支援事業所を利用検討されている方は、卒業生(前利用者)の就職実績や障害特性による就職例など確認できるものは確認しておいた方が良いだろう。実際、どのような業界、業種の就職実績が多いのか?自分が希望する業界や業種への就職例はあるのか?そして自分と同じ障害を持つ卒業生はどのような就職実績があるか?などを確認しておくと、自分が就職する際の道筋や見本、そして良いお手本となる。
また支援員やスタッフに過去に自分と似た障害特性や症状があった方がどのような支援を受けて、どのような業種に就職できたかなどを確認しておくとより自身のイメージがしやすくなるだろう。
ただし体験利用の段階であまりにしつこく聞くと事業所側にも敬遠されてしまうため、聞く際はあくまでも相対的なデータや一例確認など留めるなどにして、詳細な確認は事業所への利用を決めてからのほうが良いだろう。

 

⑤事業所の雰囲気


・支援員やスタッフとは合いそうか?
実際、事業所を利用するとなると毎日と言っていいほど支援員やスタッフと接する事になる。当然コミュニケーションが発生する。コミュニケーションが発生するという事は相性の問題もでてくる。なのでそういった支援員やスタッフとしっかりコミュニケーションをとりながら取り組んでいけるか?も確認ポイントにしたい。ただ利用が決まった後、体験利用の際に接した支援員やスタッフ以外のスタッフとも接する機会もある為、体験利用時にすべてが分かるわけではないが、雰囲気などは実際、足を運んでみないと分からない。私も実際、スタッフをやらせてもらっているが特に「利用者の事をちゃんと考えて接することができているか?」を意識しているしている。そういった姿勢で支援員やスタッフは利用者と接する事ができているか?の視点でチェックしてみるとよいだろう。

・利用者が完全放置されていないか?ちゃんした指導やフォローはあるか?
支援事業所の中には、補助金などの金銭的目的で利用者だけ集め放置して(意図的に)指導やフォローをしない劣悪な事業所も存在すると聞く。そういった事業所は論外である。中には立ち上がったばかりで人員が足りず、利用者全員分目が行き届かず、フォローができていない事業所も存在するかもしれないが、それ以前の問題で明らかに金目当てで利用者を集め、全くフォローしない事業所もある(最近ではそこまで多くないと聞くが)そのような事業所は要注意である。

また利用者が分からない点を支援員やスタッフはしっかりと向き合い、応えようとしているか?も重要である。(姿勢が大事)さらに、利用者一人ひとりの障害の特性把握から適職探しなどを一緒にしもらえる所であれば文句ない。

 

・生徒の年齢層、男女比はどうか?
意外に見落としがちなのが利用者の年齢層や男女非などである。わたしが体験で参加した事業所の1つは明らかに学生ばかりの事業所が1つあった。そういった事業所に私のような中年の男が参加しても浮くだけである。そしていざ就労支援となった際には若年層向けばかりの求人で、結局、中年の利用者は就職する事が出来なかったというオチになる可能性がある。また、事業所では利用者同士のコミュニケーションなどもある為、あまりに年齢が離れているとジェネレーションギャップもありお互いやりづらい印象もある。
なので利用者の中で、自分と同じ世代または近そうな年齢の人はいるか?も重要な確認ポイントの一つである。また男女比も逆に(あまりないと思うが)女性が大半を占める事業所に中年の男性が利用者としても明らかにやりづらい。なのでその点も相対的に判断しながら決めると良い。


就労移行支援事業所の選び方で悩んでいる方は下記フローチャートより
是非、複数の移行支援事業所の体験利用をおすすめします

当事者が教える 発達障害を持つ方(又は疑われる方)に
オススメの就労移行支援事業所フローチャート


 

障害者向け転職エージェントサービスを選ぶ際の確認すべき3つのポイント

 

①自身の障害特性の把握とそれに合った支援をしてもらえそうか?

障害者向け転職エージェントの多くは、自社が障害者雇用を請け負っている特例子会社をおこなっている大手人材ビジネス会社が運営している事が多く、障害者雇用のノウハウや求人紹介数が多いのが魅力である。
中には自社グループ内で転職エージェントサービス、特例子会社、就労移行支援事業所など扱い、障害者向けの就労支援から転職支援、就労まで全てを完結させている会社もある。

そんな障害者向けの転職エージェントサービスであるが、利用するには基本的に「障害者手帳(発達障害の場合は精神障害者保健福祉手帳)」が必須となる。

転職エージェントは登録型で、基本的に就労移行支援事業所の様に通所して就労に向けたカリキュラム受講などの支援(トレーニング)を行うものではなく、専門のエージェントやカウンセラーと二人三脚で求人探しから転職までをサポートしてもらうイメージとなる。その中で転職エージェントを選ぶ際に最低限重視したい点のひとつとして「自分の障害特性の把握および、それに合った求人を紹介してもらえるか?」となる。

本ブログでも何度も述べているように発達障害を持つ方の就労の悩みとしては、自分の障害特性にあった仕事や職場選びができておらず、それが起因として就労において様々なトラブルが生じ、退職に至ってしまうという点である。
その為、発達障害を持つ方が就労において一番大事な「自身の障害特性の把握を一緒にしてもらえるか?」「その障害特性にあった適職を元にした求人を紹介してもらえるか?」が一番重要なる。

 

②エージェントとの相性はよいか?

転職エージェントは担当者に求人を紹介してもらう。という言葉にすると簡単な事であるが、実際、人が企業で働くためのお手伝いをしているわけで、労働者、担当者、雇用先企業の3者の関係と連携が非常に重要となる。定型発達者の転職でも難しい人材紹介ビジネスであるが、障害をお持ちの方が就労をするという事はさらに困難を伴うものである。その為、転職エージェントとの相性は重要で、信頼でき、なんでも相談できる関係を構築できないと自分の望む求人への転職や、求人紹介をしてもらえないのである。また就労したあとも雇用側企業と転職エージェント、私たち労働者のコミュニケーションや困り事の相談は不可欠となるので、しっかりと安心して相談できるエージェントが必要となるのだ。

 

 ③過去の就職実績、就職例などを確認する(自分と同じ世代での就職実績なども重視)

転職エージェントを利用する際に「自身の障害特性にあった求人を紹介してもらえるか?」の次に重要なのが、過去の就職の実績や就職例である。
人材サービス会社なので当然、就職実績や就職後の定着実績が良い所が良いのではあるが、その実績にはあらわれないところも重要視すべきである。

それは「自分と同じような障害を持った方の就職先や、その方がどのような経緯で就職できたか?」また「就職できた方は自分のアピールポイントやウィークポイントをどのように把握していったか?」また「エージェント側でどのようなアドバイスのもと企業にアピールできたか」「自分と同じ世代の就職例はちゃんとあるか?」「就労後の困り事などはどのように対処しているか?」などそういった点も気にかけて利用していくべきだろう。

 


転職エージェントサービスの選び方で悩んでいる方は下記フローチャートより
是非、複数の移行支援事業所の体験利用をおすすめします

当事者が教える 発達障害を持つ方にオススメの転職エージェント


 



以上が就労移行支援事業所と、障害者向け転職エージェントサービスを選ぶ際に確認すべきポイントである。

自分に合わなければ別の事業所を利用したり、別の会社のサービスを利用することもできるのだが(就労移行支援事業所は途中替える事は可能だが原則最長2年までしか利用できないという縛りがある)利用する前にある程度確認しておかないと、合わなかった場合、事業所を替えたりする手間がかかる為、可能な限り利用前に確認できるポイントは確認しておきたいものだ。

基本的には「私たち障害を持つ者の立場に立って親身になって対応してくれるか?」「就職やスキルアップに役立ち就労につなげられそうか?」を一つの判断ポイントとして利用してもらえば失敗は少なくなるだろう。

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