さて徒然草で発達障害の診断から現在に至るまでをおおまかに振り返ってきたが、前回は就労支援事業所を利用する前の検討段階のポイントを述べたが、今回は実際、就労支援事業所を通った後に生ずるであろう疑問について述べたいと思う。
就労継続支援事業所の入所を決め、私は現在、週5日間、午後の2時間だけ主にオンラインで講義を受講している。主な内容はWEBデザインやデザインの基礎講習、動画編集の基礎講習、コーディングの基礎講習である。私はのちのち事業所のバイトスタッフとして就業を見越して現在プログラムを受けているわけだが、仮にクリエイティブ分野で就業を目指すとなった場合、通所した所感ではこれですぐ仕事に就くのは正直難しいと感じた。詳しくは下記に述べる。
(※WEBデザインを学んでいるのに当ブログが初心者感満載なのはご容赦頂きたい 笑)
読者の皆さんはそもそもサービス受給者(生徒)として入所して「就労継続支援事業所や就労移行支援事業所を経て仕事が見つけられるのか?」「生活ができるのか?」「どんなフォローがうけられるのか?」など疑問に思う方がいらっしゃると思うので改めて、ここでざっと説明したいとおもう。
ただ私もそこまで多くの就労支援事業所を経験利用した訳ではないのであくまでも、体験入所や自身で調べた内容、そして1カ所の事業所を通所しているうえでの経験談となり主観的な意見となる事をご理解頂きたい。
発達障害は仕事ができない、仕事が続かないと嘆く前に活用したい就労支援サービスフローチャート
まず1点目「就労継続支援事業所や就労移行支援事業所を経て仕事が見つけられるのか?」
これについては「自分の目的によっても、その人の置かれた状況によっても違う」という事である。
前回も述べたように、就労移行支援事業所はあくまで就労を目的とした事業所なので、意味合い的には「すぐにでも障害者雇用として就職したい人」などを主に対象としている事を理解する必要がある。
そして就労継続支援事業所はどちらかというと、すぐに就職せずとも障害が起因としたトラブルで心身ともまだ社会生活についていけない為、規則的な生活やのちのち就業できるように対象を整えなが自分の興味のある分野の仕事のベースとなる部分を勉強したり、作業をしたりして将来の就業やフリーランスまたはバイトなどへの仕事を目指すという意味あいの方が強い。
そして仕事が見つけられるかはまた別の問題であり、一番重要なのが「自身の適性のある仕事を見つけられるか」であり、次に「目標に向かって自分が主体的かつ積極的に取り組めるか」が重要な内容である。その他は「自分の障害の状況に適した事業所が選べるか」「スタッフの支援は手厚いか」「目的の求人が見つかるか」「将来、仕事に活かせる技術を身に着けられるか(クリエイティブ系ならある程度の才能も必要だろう)」また「年齢」や「就業経験(新卒採用以外)」も問われることも覚悟しなければならないだろう。
結論は本人のやる気次第だろう。
また先に述べた私が通所してすぐに仕事に就くのは難しいと感じた理由は例えばクリエイティブ系の仕事をしたくても、まったくの初心者であれば講義で教えてもらったからすぐ仕事ができるわけではないので、ある程度その分野の就業経験が必要だろうし、例えば今需要の多い動画編集であれば、ある程度のスキルを身に着け、未経験でも雇ってくれるバイトなどを狙って求職活動をするというような方法になるだろう。またはクラウドワークスなどを利用しフリーで仕事を得ていく。(いまから名も知れない素人がユーチューブで広告収入を得て生活するというのはあくまでも素人の考えで無謀だとおもう)
いずれにせよ一朝一夕で身に付くわけではなく、また業界の特性上どうしても経験者を欲しがる傾向があるのも事実だ。
また障害者手帳の有無によっても当然、転職等のしやすさは当然変わってくると思われる。
結局、就労支援事業所に通ったから自分の希望する仕事に就けるという夢物語ではなく、定型発達者の転職活動とたいして変らず、それを自分独りでやるか事業所を有効活用しながら自身でやるかの違いだけだと思われる。
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2点目「生活が出来るのか?」
就労支援事業所は仕事ではないので給与は出ない。(就労継続支援事業所は基本的には工賃が支払われるが、仮に支払われても生活するにはなかなか厳しい額が多い) その為、正確には「就労支援事業所に通いながら生活ができるのか?」になるがそれは福祉サービスの自己負担が生じるか否かと、一人暮らしなのか実家暮らしなのかによると思う(自己負担額なし無職という前提で話を進める)。ようは同居人の収入があり自分が生きて行けるのか?また一人暮らしでも貯金がありその間は生活ができるのか?にかかってくると思う。
私は幸い妻が定職についてくれており給与収入があり、私も妻の扶養にこの前入り税制面、社会保険上面ともに税制優遇をうけられるようになった、また子供もいない為、何とか2人で生活はできている。しかしここ最近、ウクライナ危機によるエネルギー価格高騰や円安による急激な物価上昇、そして今まで私含めた2人分の収入だったものが現在では妻の1人分の収入になってしまった為、家計的には毎月キツキツなのである。その為、おこづかい程度でいいから収入になる職に早めに就かないとならない。(さすがにこの状態で2年間事業所通いで無収入はキツイ)
結論は独身で自己負担額なしだが無職の場合はよほどの貯金があるか、利用後すぐ就職が決まるかしないと「生活するのはむずかしい」であろう。一種の賭けである。
もし仮に自分が独り暮らしで貯金もないと想定した場合、たちまち生活が立ち行かなくなる事は明白である。想像するだけでゾッとする。仮に就労支援事業所に無料で通えたとしても他の実費(食事代、交通費代など)は当然自己負担だし、その間は無収入でも制度上、事業所に通っている間はバイトなどの就労もNG。そうなると実家に戻るか、頼れる実家がなければ頼れるひとに頼るかNPO法人などに逃げ込むか、行政の支援金制度や生活保護を受けなければならないだろう。ハローワークで失業保険を受けながら就職活動しその間に仕事が決まればいいが、われわれの様に中年だと中々給付期間内に決まるのも難しいだろう。
その為、ある程度貯金がある方や私のように扶養してもらう家族が一緒にいる状態でないと生活はなかなか厳しいだろう。
最悪、浮浪者となってしまうだろう。読者の方でそのような境遇の方が万が一いらっしゃれば、まずそのようになる前に困ったら頼れる親族や機関は全て頼ってほしい。どこに相談したらよいか分からなければまず「発達障害支援センター」か、最寄りの「地域包括支援センター」、行政の福祉課やなどの窓口、または生活困窮者を支援しているNPO法人などに相談してほしいと思う。どうにもならなくなったら役所の生活保護相談窓口になろう。恥ずかしがることはない憲法で決められた「最低限度の生活の保障」なのである。
3点目「どんなフォローがうけられるのか?」
これについては体験入所の記事や上記の1点目である程度説明しているので端折るが、自分の最終的なゴールから逆算して受けられる事業書を決め、体験入所を行ってフォロー内容を把握する事だ。
今回のように就労支援事業所にフォーカスして言えば、結論としては基本的に「当事者の置かれた状況を問診し利用計画書を作成」「生活のリズムを整えるようにする」「受けたいカリキュラムを受ける」「障害特性にあった支援を受ける」などになろう。
就労支援事業所以外で言えば
「〇〇の就職をしたい」=「転職エージェントや、地域の障害者就業センターなどの職業訓練所」などを利用する。
「よく分からないけどとにかく発達障害で色々困っている」=「専門医、発達障害支援センター」に相談する。
支援サービスを受ける際は必ず自分の「目と耳を脚を使って」確認する事を怠ってはならない。
以上の様に、就労支援事業所を利用しながら想定される疑問にお答えしたわけだが、現在、当の私はというと「生活のリズム」については逆に不規則なままである。毎日午後からの講義の為、夜更かしが多く起床も昼近くの有様だ。ここはのちのち改善していかなければならない。また継続支援事業所でのバイトの話もまだ具体的な話になっていないのでこの先どうなるのやら。
発達障害特有のあらゆる考えや悩みが頭をよぎり頭が疲れる毎日ではあるが、まあここで一人焦ってもしょうがないので目の前の事をひとつひとつクリアにしていくしかなさそうだ・・・
今後も日記を継続しつつ自分の興味のある事柄にもフォーカスをあててブログにしていけたらいいなと思っているのでお付き合いいただけたら幸いである。