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コラム:大人の発達障害者の私が抱く発達障害者の適職情報についての疑問

疑問のイメージ

「発達障害」というものが世間に知れ渡り、だいぶ経ちネットやなどので玉石混交の情報が氾濫しているが、特にネットではあたかも定型発達者が書いたであろう「〇〇の人は発達障害」みたいな定型発達者にもありうる一つの特性の部分だけで「発達障害と決めつけ」ていたり、その他、当の発達障害の私がみて「?」という情報が良くある。それが「適職」情報である。
(※ちなみに「あなたはアスペルガーかも」みたいなサイトや動画が多数あるが、自閉スペクトラム症(ASD)の定義は①コミュニケーションの困難②常同行動である)

まず自閉スペクトラム症(ASD)の適職は「決められた事を正確に遂行できる」や「マニュアル化がされていればミスなく遂行できる」「事務処理」や「論理的にできるプログラムなどが得意」など事務仕事やエンジニア系仕事が代表的である。
注意欠如・多動症(ADHD)に限っては「行動力から営業に向いている」「発想が豊かな為、企画の仕事に向いている」「コミュニケーションに長けているのでサービス業に向いている」だとか、こういった情報が氾濫している。それぞれ切り取ってみると確かに間違いではない情報ではあるが、ここで大きな疑問当たる事にそれぞれのサイトでは気づけてはいない。

それは「発達障害はそれぞれの障害同士や様々な精神疾患と併存しやすい」という事である。

実際私も、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)を併発しており(数学なども大の苦手なので、恐らくSLDも若干あると思う)。自閉スペクトラム症(ASD)などで事務的な事が得意かといったら注意欠如・多動症(ADHD)の悪い特性のミスや根気のなさもありそれを打ち消してしまい苦手だし(プログラミングも然り)。注意欠如・多動症(ADHD)の営業やコミュニケーション業務が得意かと言われれば、自閉スペクトラム症(ASD)特有の相手の気持ちをくみ取れないやKY的な言動の要素が邪魔をして毎回人を不機嫌にさせたりキレさせるトラブルメーカーの為、その長所を打ち消してしまう。発達障害を持つ方は大なり小なり障害の併発により人それぞれ違った症状の悩みを抱えているはずだ。

そして当の私は事務作業やプログラミングなど無理、コミュニケーション業務も困難、おまけにスキルも持っていなければできる仕事がほぼないのである。(私の経験職のコールセンターも実は適職だったのではなく、ただ単に「たまたま職場に恵まれ若い頃、電話やクレーム耐性があっただけ」に過ぎない)
そういった経験から、そもそも上記にあげた発達障害の適職情報がまったく当てはまらないのである。特に自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)の併発は職場でのあらゆる困難度が倍増すことは経験上から断言できる。人とのトラブルは必然で起こり、「自閉スペクトラム症(ASD)(注意欠如・多動症(ADHD)も然り)の適職は〇〇」というレベルではないのだ。

以上の事から、ネットでの「発達障害の適職紹介」などは殆どあてにならないといってよいだろう。(※書籍の場合も適職紹介の情報においては同様)

その為、発達障害だからといってネットの情報をうのみにするのではなく、自分自身のこれまでの職場などでの経緯やトラブルの原因を分析しながら、自分の好きな事、得意な事、苦痛でないこと、これならば時間を忘れられるという事、他人に褒められた事や環境的影響の要因などを総合的に洗い出して、自らの傾向や適性を冷静に洗い出してほしいと思う。これは発達障害は障害者ひとりひとり症状が異なる事への裏づけだし、ネットや医師の診断などではここまで掘り下げた情報は分からない事だ。

適性イメージ

結局、「自身の障害への自覚医療機関での診断による)」と、この「自身の障害特性の洗い出し」と「その後の対応」でその人の今後の人生の困難度合いが決まってくる。というのは過言ではない。そして、もし仕事に就いたのであれば職場の周りの人にあらかじめ「自身の障害の特性」を伝えておき、困りごとの「それ」は自分が意図的に行っている事ではなく「脳機能の偏りにより必然的に発症する事象」で「気づいたレベルでお伝えしお詫びする」という事を事前に伝えておく事が、ひいては発達障害の人が周りの人の理解を得ながら尚且つ生き生きと仕事に取り組めるのではないだろうか。

みなさんも自らの障害の特性について一度、己としっかりと向き合って、相手に伝える努力をしてほしいと思うのである。(クローズなら、理不尽な事が起きる事を承知で割り切るしかない...)


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