昨年の10月、44歳で初めて発達障害の診断を受け、自己分析を経て就労支援事業所へ入所後、今年の6月より現在の勤務先である就労支援事業所(厳密には就労継続支援B型事業)で働きはじめてから早約6ヶ月が経過した。
今年を改めて振り返ってみると、この先ターニングポイントとなるであろう年であったのは間違いない。人生で44年生きてきて、幼少時代や学生時代は打ち込めるものがあり(テニス)、やりがいを感じた時期であったが、社会に出てからというもの「発達障害」が原因で周囲とうまくなじめず、社会性やコミュニケーションの障害から苦難の連続の成人人生であった。
発達障害と診断されて初めてその苦難の原因が分かり、その障害を受け入れ、今一度自分自身を見つめ直し、自身の特性や強みなどを洗い出せてからの再スタートとなった今年は、自分自身でも驚くほど充実し新しい人生がスタートできた貴重な1年であった。
改めて感じる事は
発達障害を持つ者が生きづらさを最小限に抑え、前向きに生きていくためには、如何に自分の障害特性を把握し、自身を冷静かつ客観的に見ながら、適性のある環境と障害理解のある環境に身を置く事ができるかにかかっているといえよう。
新たな環境で働きだし早くも半年が経とうとしているが、自分自身でも本当に「障害と向き合って」良かったと思っている。今では理解のある環境の中で就労ができ、困ったときに相談できる仲間や家族がいて、自分の障害特性も客観的かつ冷静に見れるようになってきた。
残念ながら脳の機能障害は完治する事はできないが、自分自身を客観的に見れるようになったことにより、その障害による症状を前もって少なくしたり、症状が起こっても軽減できたり、事後の対処により問題を表面化させずにできたりと素晴らしい成果である。また就労支援事業所で働いている為、利用者の中には私と似た症状の人もいらっしゃる。その為、自分と酷似した障害特性が客観的に手に取るように分かり、いままで周囲と衝突していた原因も分かる為、対処もしやすい。
しかも薬物療法は一切しないでここまで対処出来ている事は自分自身でも信じがたい事である。これも自分の特性を理解し、それにあった環境に身を置けているからなのであろう。
これもすべては私と12年間、お互い辛いときも一緒にいてくれ、私の障害を理解してくれ、そして養ってくれている妻のおかげである。この場を借りてお礼を言いたい。いつもありがとう。
やはり発達障害を持つ人には障害を理解し、そばにいてくれる人が大切だと心から思う。
話は変わるが今の私の就労状況を簡単に説明すると、動画編集を希望する利用者さんひとりひとりとコミュニケーションをとりながら、簡単な講義をしたり、利用者さんと同じ目線に立ちながら一緒に作業を行ったり、不明点を個別にレクチャーしたりしている。自分の好きなコミュニケーションやティーチングが活かせてとても充実している。
ピアスタッフとして働きだして改めて感じるのが、我々のような発達障害を持った人たちは、得意不得意があり、障害特性で小さな困り事があるだけで、何も特別な人たちではないということ、そしてメンバーひとりひとり皆純粋な心をもっていて、一生懸命、人生を頑張ろうとしている人たちである。(私もそうだが・・・)
そういった人たちを社会や企業は差別や排除をするのではなく、声を掛け合い、話を聞いてあげ、手を差し伸べ、当事者たちが強みを生かせる社会になる事がこの国の未来につながるのであろう。
皆さんも今年は良い年であっただろうか。。。来年こそ皆が良い年になりますように。