「発達障害」という言葉はつい最近になって聞かれるようになった言葉ですが、実はこの発達障害が原因で離婚になってしまう夫婦は昔から多く存在しているのである。
発達障害で離婚となる夫婦の多くは、主に夫に発達障害(自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動障害(ADHD)または混合)があり妻が精神的に滅入ってしまうカサンドラ症候群という症状に陥って離婚に至るケースが多い。
傾向として女性は共感や他人を思いなどの感情的な情動に左右されやすいが、発達障害を持つ伴侶(主に夫)である男性の多くはその真逆の「共感」や「他人の思いや、他人の考えを推し測る」事が脳の機能的障害理由により欠如している為に、夫婦は一種の「水と油」の性質で相いれないものとなってしまい、それが原因で夫婦生活や家族生活に主に支える側の妻にストレスが蓄積していき最後には破綻=離婚するというシナリオである。
ここで私が紹介する大人の発達障害関連のおすすめ書籍は、少なからず「大人の発達障害」(または大人の発達障害に関連する事柄)において専門家の視点や当事者の視点で障害をより詳しく、そして発達障害をお持ちの当事者やそれに関わる方に参考になる情報が載っているものを紹介しております。
こういった書籍から夫婦間や家族間のトラブルの原因を正しく理解し、それに対処することが出来れば、発達障害の伴侶の本来の「正直で」「やさしい」「計算高くない」など最大の人間的魅力を享受する事ができ、貴方の人生はより幸せに満ちた人生となるでしょう。
この書籍たちが貴方の「生きやすさ」に少しでも貢献できることを願っています。
※こちらでおすすめする書籍は★の評価も含め私個人の評価であり、感想やとらえ方も読者によって異なります。また症状緩和の保証や改善を確約するものではなく、当ブログでは如何なる責任も負いかねる点ご了承ください。
※Kindle版ご希望の方は各書籍のページで「Kindle版(電子書籍版)」をお選び下さい。
大人の発達障害 きのやんのおすすめ書籍
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マンガでわかるアスペルガー症候群の人とのコミュニケーションガイド
■身近な人とのコミュニケーションに悩み夫婦関係が崩壊しそうなカサンドラな方に今すぐ読んで頂きたい書
南青山で発達障害専門の精神科医をおこなっており、米国マサチューセッツ総合病院や南イリノイ大学で客員教授経験がある著者による良書。自閉スペクトラム症(ASD)との対人関係に深く悩んでいる人向けにマンガ形式で悩み事や症状、対処方法が書かれており自閉スペクトラム症(ASD)がとても理解しやすい内容となっている。
自閉スペクトラム症(ASD)の思考の偏りや言動の仕組みをマンガを使って他の書籍より、より深く詳しく掘り下げており、なぜコミュニケーションがうまくいかないのかを的確且つ客観的に説明している内容に終始頷くこと間違いなし。
自閉スペクトラム症(ASD)に限らず注意欠如・多動障害(ADHD)にも当てはまる要素が満載で、発達障害を持っている当事者が読んでもとても参考になる書籍となっている。相手とのコミュニケーションがうまくいかず夫婦危機や職場危機で悩んでいるまわりの人たち全員に読んで頂きたい書だ。
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発達障害とどう向き合うか 自閉症、アスペルガー、ADHD生きづらさは克服できる
■自ら自閉スペクトラム症(ASD)(アスペルガー症候群)を持つ人気発達障害カウンセラーの自伝を含めたハウツー本
幼少の頃の自閉症が交通事故を境に自閉スペクトラム症(ASD)となり、苦労した人生を歩み現在発達障害カウンセラーとして個人や各機関からの相談を受けている著者。当事者が書いた本だけあり同じ発達障害をもつ私が読んでいても「そうそう」とうなずく箇所も多く、医療従事者や専門家顔負けの知識に脱帽してしまうほど。また私が本ブログでも書いてある通り、自身の特性や傾向や特徴を洗い出して「自分の障害を客観的に見る」そして次につなげるという手法においては激しく同意するものである。
ただ残念なところとしては少々詰め込みすぎな感があり、発達障害の概要、チェックリスト、自伝、子供の発達障害について、大人の発達障害について、各種療法、ケーススタディなどかなり広範囲にわたる内容なので、説得力のある文章ではあるもののポイントがぶれてしまっているところ。
いずれにしても当事者や発達障害者と関わりのある人は一読の価値ある書である。
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(4.5 / 5)事例でわかる思春期・おとなの自閉スペクトラム症 当事者・家族の自己理解ガイド
■自閉スペクトラム症(ASD)(自閉スペクトラム症=旧:アスペルガー症候群)で生きづらさを抱えている人全員に読んでいただきたい書籍
本書は臨床心理士で小児発達が専門の2人による共同書籍であるが、思春期や大人の発達障害者たちの事例にもページを割き自閉スペクトラム症(ASD)当事者たちが障害特性と向き合い、どのようにしていけば前向きに生きていけるかをテーマとした内容だ。
自閉スペクトラム症(ASD)について深く掘り下げ、当人たちがその障害と向き合い、その障害特性を理解し、特性と環境をあわせることにより様々な困難を乗り越えていく過程をケーススタディを交えて解説しており非常に読み応えのある内容となっている。
私も持つ自閉スペクトラム症(ASD)は発達障害の中でも薬の治療方法がなく、脳のメカニズムなどもまだ解明されておらず特に職場や人間同士のコミュニケーションに困難を伴いやすい障害である。その自閉スペクトラム症(ASD)を臨床心理の観点からどのように対処していくかを論理的かつ体系的に説明している点はとても参考になる。
また様々な症例をケーススタディで説明しているがどれもとても信ぴょう性があり、当人たちの困難が手に取るようにわかる内容となっている。そんな彼ら彼女らが困難を抱えながらも、支援者のもと自らの力で、その困難を乗り越えていく姿に感動と勇気を与えてくれるものである。
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(5 / 5)夫がアスペルガーと思ったとき妻が読む本 増補改訂版
(副題)カサンドラの女性が”離婚”を踏み止まるために必要な事
■離婚を考えている全てのカサンドラ、そして当事者であるアスペルガー(現自閉スペクトラム症(ASD))の全ての人に読んで頂きたい一押しの書籍
読んでいて途中で思わず涙を誘う内容もあり、まず妻がこの本を手にして発した一言は「もっと早くこの本に出合いたかった」である。過去、夫である私のアスペルガーが原因でパニック症候群を発症し、離婚の危機を迎えた時にこの書籍に出会えたら如何に心が救われたか。という趣旨の発言である。
カサンドラに関する書籍は数多くあるものの、この本ほどその本質を突いている書籍はないであろう。本書は特にアスペルガーである夫に惹かれ結婚したものの、結婚後そのアスペルガーが原因でコミュニケーション難に陥るカサンドラ達の苦痛と苦悩が手に取るようにわかるように書かれている。(結婚前に現夫のアスペルガーが分からない原因も書かれている)
私は本書を読んで「共感を求める女性脳と究極の正反対の性質を持つ男性脳であるアスペルガー夫との結婚生活は悲劇にも喜劇にもなりえる」と感じた。
ただ中には障害特性を持つ夫から暴言や暴力に合うカサンドラ達もおり、そういった最悪の状況にならない為にもカサンドラだけでなく、アスペルガーである夫が私のように如何に早くその障害診断を受け(傾向があるかどうかも含め)、自身で治そう(実際には治らないが改善しよう)という意思を持つかどうかが極めて重要である。それができるかどうかが離婚に至るか否かの一つのキーポイントになりえる事も書かれている。
また子供がいる場合は妻、夫、子供の3者関係の難しさやその3者の関係から様々な問題が生じる事も説明されており、アスペルガーが如何に子育てにおいて困難を抱えるものかも説明されている。
そしてアスペルガーの夫と定型発達者である妻のコミュニケーションのズレやその理由にも迫っている。本書は様々なカップルから得た臨床研究のデータの裏付けの元、この障害(AS=アスペルガー)の本質が書かれており、その結婚生活がいかに困難を極めるかが文章の節々から伝わってくる。ただ悲観的な内容だけではなく本書では「障害と持つ夫も、被害者である妻も誰も悪くない」という視点で書かれており。ケーススタディを交えながら私たち夫婦の様に「それ」(障害を乗り越えた結婚生活)はとても素晴らしいものであることも暗示されていて、前向きになれる書籍である。
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(5 / 5)リワーク専門の心療内科の先生に「働きながら発達障害と上手に付き合う方法」を聞いてみました
■発達障害当事者とその当事者に関わる登場人物の人生がそれぞれ絡み合い、「リワーク」をテーマにそれぞれの人々に一筋の光をともしていく小説のような新感覚ストーリーの発達障害解説書。
本書は都内でクリニックを行っており精神科医、日本うつ病学会双極性障害委員会フェローである亀廣聡氏と作家で六代目桂分枝氏の弟子である夏川立也氏の共同書籍である。
主役であり発達障害を抱える20代の男性会社員の日常生活から始まり、その主役と関わる妻、上司、医師、MR担当とその部下など登場人物がそれぞれ「発達障害」といいう大きなテーマに飲み込まれ、悪戦苦闘しながら物語がひとつの光に向かって進んでいくという、とても斬新かつユーモラスな内容を奏でる物語となっている。
途中、妻のカサンドラ症候群や上司の無理解、発達障害の誤診や薬の負の面など、マイナスの面にも容赦なくスポットが当てられるが、最終的には薬に頼るのではなく自分の意思と周りの理解によって主人公含めた、登場人物たちが新しい未来をひらいていくというストーリー展開に胸を熱くすると共に、私自身そういった治療方法(服薬に頼らず自らの力と周りの理解で対処していく)を実践している張本人であり、激しく同意できる内容となっている。
また物語に登場する「亀廣聡」医師の面白い人柄が物語にスパイスとして効いており、小気味よく読める書籍となっている。
発達障害当事者だけでなく、周りの家族、また会社の経営者や人事などマネジメント層にも一読して頂きたい書籍である。
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(5 / 5)女性のための発達障害の基礎知識 会社や学校に行けなくなる前に知っておきたい14章
■発達の特性を持つ全ての女性に読んで頂きたい書籍
私は男性の発達障害者であるが、女性の発達障害とはどういうものなのか?という興味があり本書を手に取ってみた。読み終えた感想としては女性も男性と同じように、発達の特性がある人は苦しんでいる事がよくわかる内容となっている。また女性の発達障害は男性の発達障害とはまた異なった部分での困り事や、女性特有の置かれた立場や症状からさらに困り事が増すことも理解できた。
また女性は男性とは違い、同性のグループでのコミュニケーションを図る傾向があり、そういった女性特有の同性同士のコミュニケーション(いわゆるガールズトーク)において、ASD、ADHDの特性がある女性は適切な対応やコミュニケーションが図れず、疎外されやすいこともこの女性の発達障害の社会的課題の一つとして根深い問題を提起している。
そして女性は男性の当事者よりも障害による困り事が表面化しずらく、また二次障害なども内向化しやすい性質から、諸問題が社会表面化しづらいという傾向がある。現代社会において今以上に女性の発達障害を持つ方の理解や、行き届いた包括的支援が早期に実現する事を願ってやまない。
発達の特性で困っている女性、当事者のご家族の方などに積極的に読んで頂きたい書籍である。