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⑩大人の発達障害である私の就労支援事業所 体験入所 part2

悲しさのイメージ

ということで東大宮駅の就労移行支援事業所の事業所①を諦めた私は、次に体験入学をしたのは大宮駅近くの3カ所の事業所②③④である。

前回のpart1でもお話したように、各事業所で異なる所もあるが就労支援事業所を利用するにあたり私たち入所者が負担する福祉サービス利用料の自己負担額の概要がおおよそ分かった為、どの就労支援事業所を利用するにしても「世帯収入」が基準となりサービス利用負担額が確定するため、入所を別の事業所を変えただけでは自己負担が発生するという問題においては根本解決にはならない。

その為、別の就労移行支援事業所を体験入学しても意味がないのではないか?と思われると思うが、私は「その利用者負担額を上回るメリットが就労移行支援事業所で得られるのであれば喜んで受けたい」と考えていた。

例えば私の発達障害の症状を良く理解し、きめ細かく対策やカリキュラムなどを組んでもらえるか?や自身がやりたいと感じているクリエイティブの仕事に関して、生の講師による本当に有意義な講義カリキュラムがあるか?や疑問や質問を講師に遠慮なくできる環境にあるか?や事業所のメンバーは接しにくくないか?や就労に結びつけられる支援は本当にあるのか?、また継続支援事業所であれば支援員の質はどうか?作業しやすそうな環境か?工賃は十分か?などがクリアできれば毎月数万円の手出しも決して損ではないのである。

そんな思いで大宮にある
クリエイティブ系の就労継続支援事業所A型の事業所②
大手の発達障害専門の就労移行支援事業所③
そして比較的大手の就労移行支援事業所④

の3か所に体験入学してみた。

就労継続支援事業所Aの②はHPでもクリエイティブ全般の業務が行えると書いており、大宮駅から徒歩7~8分位の雑居ビルの中にある事業所であった。家からだとバスで大体25~30分で着くところだ。
体験入学の当日ビルに入り、エレベーターで目的の事業所ベルを鳴らし、入室した。そこで私は一瞬躊躇った。

雑居ビルの一室の為、事業所のフロア内は狭くおおよそ80m²位で、PCを並べたデスクが3列位ある。そこにコロナ禍にもかかわらず入所者が隙間なくぎっしりと詰め込まれており、横に座る人との距離は30cm位しかない。さらに仕切りもなく、対面にも人がいる。私が入った時間帯が昼過ぎ頃で出席している入所者は最低でも20~30人、いやもっといたかもしれない。まさに寿司詰め状態で難民が乗る船のように所狭しと人がいるのである。その中には昼食後、休憩する場所もないため、自席で寝ている人もちらほらいた。当然、事業所内の空気も悪い。入所者=障害者に対して酷い扱いである。

環境面で「これはさすがにないな」と思った。

業務内容はWEBデザインや動画編集などの業務を様々な方法で受注している様子であった。そしてPCなどの設備はそれなりに予算をかけているように見受けられるが、どうも対応した支援員のレベルが低く、障害をお持ちの方への配慮がある言葉遣いとはとても言えない。その他の支援員も否定形の話し言葉が多かったり、利用者の話を遮ったり、ちゃんと聞いていないように見受けられる支援員もいた。

この状態で「やっぱり帰ります」とも言いづらいので、同じ年位の男性の職業支援員に個室で事業所の概要を説明してもらい、正直に「40過ぎでも未経験からクリエイティブの業務に携わる事が可能か?」と率直な意見を支援員に聞いてみた。支援員の回答としては「当事業所は継続支援事業所のA型で雇用契約を結び、業務をしてもらい工賃を渡すシステムとなっている年齢は特に関係ないが雇用契約を結ぶ以上、最低限の勤怠やスキルやマナーは必要」との事だった。

また工賃は通所日や時間によって利用者ごとに異なるが、週5日、決められた作業時間行い平均月7~9万円ほどとの事であった。
いずれにしても前述のように事業所環境が劣悪でかつ支援員のレベルがあまり高くないので、私はこの時点で事業所②を説明だけ聞き、この後の、体験利用を試すことなく諦めた。

事業所体験入所パート2


つづいて別の日に今度は大宮駅から徒歩10~15分位、自宅からだとバスでおおよそ20~30分位で着く場所にある発達障害特化型の就労移行支援事業所③に体験入学に行ってみた。

ちなみにこちらの事業所を運営する会社は比較的大きく首都圏などにも事業所を構えている会社であった。体験入学の日までにオンラインで事業所の概要説明や担当者とマンツーマンでキャリア面談をして、障害特性や今までの社会人経歴などをお話しある程度、情報共有はしていた。

早速、体験入学日に事業所に向かった。こちらは雑居ビルというか、外観はマンションのような建物の1フロアを占めており事業所として利用が可能なある程度の広さが確保された事業所であった。
受付をすませ、中に入ると広さは150~200m²程あり、別にも共有スペースがあり、そこそこの広さがある事業所で体験入学者の人数は10~15人おりスペース的も十分であった。体験入学者の男女比は男性8割、女性2割、年齢層は10代後半から30代前半位までで、今回も私のような40過ぎのミドル世代は1人もいなかった。

講師というか職業指導員は2人おりいずれも男性で、年齢は50~60代位のシニア手前の初老男性だ。
カリキュラムは別途リモートでも参加している各地の体験入学者が他に10数名から20名前後いて、事業所に来所している私たちメンバーと同時刻にそれぞれ個人がオンラインでカリキュラムを行うという方式だ。

朝礼をリモートで行い、その後、体験希望のカリキュラムを自分で決めるのだが、その内容がWEBデザイン基本編や応用編、MSオフィスソフト編、ビジネス入門編、面接対策編など比較的基本的なカリキュラムばかりであった。
私はWEBデザインに関してはてっきり専門の講師がいてその人の講義をリモートで受講するのかと思っていたが、すべて形式的なチュートリアルが用意されており、それを各自座って黙々と進める内容であった。これならわざわざ来所する必要などなかった・・・そしてそのチュートリアルの中で分からない事があると島に座っている職業指導員に質問するという流れだった。しかも期待していた個人の障害の特性への対策などは一切カリキュラムに含まれていなかった。

カリキュラムは受けた感想「ぶっちゃけこんな内容殆ど知っている」というものばかりで基本的な事ばかり。目新しい内容は何もなかった。

そしてお粗末だったのが職業指導員の「質」だ。分からない事があり質問しても「ちょっとまって~。う~ん。そこは分からないなぁ~」ばかり。職業指導員がカリキュラムの内容に答えられないのである。百歩譲ってもデザインの専門的な内容は指導員が答えられなくても、PCの操作やチュートリアルのやり方位はせめて把握しておいてほしい。またその職業指導員の振る舞いがいかにも「素人」そのもの。言葉遣いなどあったもんじゃない。入ってくる顧客=入所者に対し敬語ではなく全てタメ口で会話し語尾を伸ばし馴れ馴れしい。質問の回答もはぐらかす。職業指導員のレベルが低すぎるのである

しかも支援員同士の会話を横で聞いていた所、驚いたのがこの中年男性の支援員、どうやらこの仕事を8年やっているようである。8年でこのレベルなら余程適性がないか、誰でもなれるかのどちらかだ。これなら私の方がまだ上手く対人折衝できる自信がある。この事業所に体験入所した事を後悔しつつ、我慢していた私だがだんだん不愉快になってきた。

途中でこの指導員に言ってやろうかと思った。「貴方、本当に障害者に教える職業指導員ですか?顧客である入所者に対しての言葉遣いがなってないのではないか、しかも体験入所者の質問には答えられない。どうなってるんでしょうかこの事業所は?」と。

事前のリモート面談では別の女性担当者が私のパーソナリティを含めしっかりと体験入所前の不明点や疑問点に答えてくれた為、私はてっきり体験入学ではきめ細かな対応やカリキュラムが用意されていると期待していたがそのような環境ではなく、ただ体験入所者にPC内のカリキュラムを黙々とやさせるだけ。当日は事前ヒアリングした担当者と指導員が違うという始末。

おそらくオンラインでの問診担当者と各事業所での指導員は担当が別々なのであろう。それにしても入所前と体験入所後のギャップがありすぎるのである。また体験入所者の殆どが学生や社会人経験数年目くらいの若年層ばかりで、私のようにある程度社会に出た後障害に苦しみ退職に至り、参加しているというミドル層が全くいなかった為、私の憶測ではあるが「おそらくこの事業所は若年層、いわゆる学生の障害者をメインとした就労移行支援事業所なのだと」直観したのだ。(だったらHPに記載してほしい「当事業所は学生に力を入れたカリキュラム」だと。)

そんなやるせない状況で最後、体験入所の感想を職業指導員とマンツーマンで話す機会が設けられたので私は職業指導員に対面で思いのたけを伝えた。

期待していたカリキュラム内容ではなかた事
カリキュラムが形式的でつまらない事(プロの講師がいない)
サービス利用料を自己負担してまで利用する価値がないこと
・職業指導員のレベルが低い事
・当事業所は学生メインで、社会に出てから障害が原因でつまずいたミドル層の受け皿ではないと感じた事


担当者は真摯に聞いているふりを見せていたが、内心は「別に勧誘しなくても学生の入所者が大量入所するからあなたたちミドル世代は別に入所しなくて結構ですよ」とでもいいたそうな感じであった。(※相手も思った事をヅケヅケいう私に嫌気がさしたのであろう笑)

私の就労支援事業所への期待は奈落の底に落とされた。結局、どこの就労支援事業所も国や自治体の補助金目当てで、社会に出た事もなく何もしらない学生らをターゲットとした障害者ビジネスでありこんなものかと。ただこれは逆の意味で体験入学せず入所してしまったら一巻の終わりだったので、不幸中の幸いであった。その為、入所前の体験入所は自分に合った支援事業所なのかを判断する、非常に重要な場だと再認識した。

当然ここの事業所の利用もお断りした。

事業所体験入所パート4


ここまで3か所の事業所を体験入学してみて、就労支援事業所がどういうものなのかだいぶわかるようになってきた。

判断ポイントとしては大まかに「自己負担額」「サービス内容(カリキュラム内容)」「支援員の質」の3ポイントである。自己負担額においては前年の世帯年収など影響したり自治体や事業所にもよるものなので自分ではどうする事もできない。しかしサービス内容や支援員の質であれば自分で判断できる。そんな事を思いながら次の体験入学をおこなってみるのであった。

次も大宮駅より徒歩5~10分ほどにある比較的大手の就労移行支援事業所④である。
ここの就労移行支援事業所は私の希望するクリエイティブ系に特化した事業所ではなく、IT系や事務系など幅広く手掛けている事業所であり、事業所があるビルもやフロア内も適度な広さがあり、清潔感のある落ち着いた雰囲気の事業所であった。

出迎えてくれた支援員は30~40代位の女性で、受け答えも丁寧で、話し言葉にいやな角がなく、とても感じの良い支援員であった。前述した事業所では事業所のサービス内容や取り組んでいる事など具体的な説明をあまり受けなかったが、こちらの担当者はとても分かりやすく、この事業所のサービス内容、具体的に取り組んでいる事、事業所の強み、障害をお持ちのメンバーさんへの配慮事項などを具体的かつ分かりやすく説明してもらい、私のこの事業所への好感度が増したのである。

そして重要なカリキュラム内容だが、ご自身の特性ややりたい事を入所後、担当者と密に詰めていき、適性検査を行い客観的に見ながら就く仕事を決めていくというもので合理性がある。また就業先は障害者雇用メインではあるものの通常の就職も目指すことは可能との事であった。自身の障害特性と意思によって選ぶことができるようだ。また就職活動だけでなく、障害特性からくる就業の困りごとにも対応できるSST(ソーシャルスキルトレーニング)などのカリキュラムも充実しているようだ。議題を与えてメンバー同士やスタッフとディスカッションしながら、対処方法を学んでいくカリキュラムも用意されており、就職支援だけでなく障害特性支援も行って貰えるのはありがたい限りである。

ただ1点、就職先においてはオフィス業務や事務作業業務、サービス業など多岐にわたるものが用意されているのであるが、私が自己分析で得た適性のクリエイティブ業務(WEBデザインや動画編集etc)への求人は殆どなかった。(まあ当然と言っちゃそうだが・・・)

また事業所を利用するにあたりの自己負担額もきいてみたが、最初に体験を受けた東大宮の事業所の担当者と同様に「前年の世帯年収による」「自己負担が3万円以上になるのは年収ラインおおよそ600万以上」「もし発生するとしても月2~4万円くらいの自己負担額(交通費、昼食代含まず)ではないか」「詳しくは市町村の福祉課窓口に問い合わせしてほしい」という予想内の回答であった。

そういった経緯もあり、こちらの事業所は(現段階では利用するか悩んだ為)いったん検討させていただくということを対応してくれた感じの良い支援員の女性には伝えて、この事業所を後にするのであった。

女性担当イメージ


続いては最後の事業所の体験談をお話しする。

大人の発達障害である私の就労支援事業所 体験入所 part3


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