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発達障害であるASDとADHDの併発により、様々な困難が増す私の例 その3

分析イメージ

さて前回と前々回ではASDとADHDの併発に伴い困り事が増し、より複雑化していく私の例を上げさせていただいた。

発達障害はその障害特性自体が外から見えづらく、そして定型発達者と見まがうため周囲の人の理解を得にくい障害である。また自分でも自身の障害特性をしっかりと把握しきれている人は少なく、いわば自他ともに障害を理解しづらいという障害特性がある。

そんな中において社会生活や就労を更に難しくしているのが、発達障害である各症状の併発(重複)である。
ASDやADHDなどの発達障害の診断自体も難しく、そして併発している場合、それぞれ個人の障害特性の傾向や特性のあらわれ方が同じ診断名でも人により全く異なった症状となるのが、この障害をより一層困難なものにしている要因である。

今回はASDとADHDを併発することによる困り事を、私の最後の例をあげてご説明したいと思う。



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目次

ASDとADHDの併発により、心は常に「怒り」や「不安」そして「ネガティブな志向」に満たされている。

自らの脳機能の偏りからくる負のマインドが重しとなり、それが元となり周囲との軋轢を生み、精神はストレスを抱え、やがて押しつぶされていく。

負の連鎖を断ち切るには、まず自らの「認知を変える」「感情をコントロールする」そして「ストレスを大きくしない事」が大切。そして自分なりのストレス発散方法を確立しておく。

もし対人関係で後悔した場合は、相手と修復可能な状況にある時は、なるべく早めに当人に原因とお詫びを伝える。

発達障害と上手く付き合っていくためには「ストレスにさらされにくい環境に身を置く」または「ストレスにさらされても対応可能な状況に常にしておく事」が重要。




ASDとADHDの併発により、心は常に「怒り」や「不安」そして「ネガティブな志向」に満たされている。

ASDの主な症状は「社会的コミュニケーションの障害」と「反復的・繰り返しの行動パターン(興味と行動の偏りやこだわり)」であり、最近では「感覚過敏」も注目されています。ASDでは主に対人関係において質的なコミュニケーションの障害が生じやすく、自分の興味やこだわりが強く、臨機応変さに欠け融通が利かなかったり、頑固だったりすることで対人障害を生じやすい特徴があります。

またADHDでは注意欠如により様々なミスが生じやすくなったり、多動や衝動が強く、落ち着きがなかったり、状況を鑑みず思った事を口に出しやすかったり、キレやすかったりする特徴があります。

上記のような症状は今では書籍やネットの情報で簡単に調べる事ができ、世間一般として知られるようになってきました。しかしそれは発達障害の各症状の特徴を述べるにとどまり、各障害特性の理解にはつながるかもしれませんが、それ自体が障害をもつ本人たちの本当の困り事の理解につながる訳ではありません。

皆さんもご存じかと思いますが、上記の障害症状はあくまでも障害の診断基準の際に使われる障害特性内容であり、実際、社会生活を行う上でASDやADHDの症状を持った私は、他の根本的な要因によりその障害症状が出ているいるのです。

その根本的な要因とは「怒り」や「不安」、そして「ネガティブな思考」です。

まず第一に「怒り」や「不安」です。
ASDとADHDがあると感情のコントロールが苦手となり、常に「怒り」や「不安」を抱えている状態になりやすいです。何か行動する時も「また〇〇してしまうのではないか?」「なんで〇〇なんだ!」などと常に負の感情を抱ているのです。

私の例に例えれば
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職歴の一番最後のヘルプデスクで研修を受けていた時に、お局オペレーターが自分が作った資料を交えて研修をしていた際の事
【不安】
「えっ!こんな分かりづらい資料見せられてもさっぱり理解できない。なんで新人目線に立ってもっとわかりやすい資料を作成してくれないのだろう!」→それをそのまま当人に伝えてしまい対人トラブルに。

葬祭業で炎天下のなかチラシ配りをやらされた際の事
【怒り】
「この会社頭おかしいんじゃないか?真夏の灼熱地獄のなかで1件1件各戸にポスティングをさせるなんてどうかしてる!まともにやったら死んでしまう。こんなやり方辞めた方がよい。DMを送ったり、チラシを新聞に挟むなりして効率化してほしい」→それをそのまま店長に伝えてしまい他の従業員達から嫌がらせが始まる。
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続いて「ネガティブな志向」になりやすいことです。
ASDとADHDがあると何事にも前向きな志向よりもマイナスな志向が働き易い特徴があります。これは障害特有の「認知機能の偏り」や「過去の失敗経験」などからそのような志向になりやすいとも言えます。マイナス思考やネガティブな思考が常に働いている状態では何を行っても良い結果が得られません。

私の例に例えれば
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免許系のコールセンターで働いていた際に営業にハラスメントまがいの教育を受ける(ハラスメントと感じるのも認知の偏りかもしれない)

【ネガティブ思考】
なんで管理者候補で採用されたのに、この営業は新人の私に対して上から目線で偉そうに教えるのだろうか?私はこの人に嫌われているのではなかろうか?それとも何か質問などしたらマズイことでもあるのだろうか?というネガティブな思考が働き・・・
「管理者候補として入ったとはいえ、一方的かつ頭ごなしに教えられたらこちらもやる気を失います。もっと丁寧にわかりやすくおしえていただけませんでしょうか」→それらを研修担当に伝えると、後日私は業務を外され、最終的には雇い止めになる始末。
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各発達障害の障害特性だけでなく、その根本にある「怒り」や「不安」「ネガティブな思考」が常に自分を支配しており、それを元にした言動により物事の悪循環が生れてしまうのです。



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自らの脳機能障害からくる負のマインドが重しとなり、それが元となり周囲との軋轢を生み、精神はストレスを抱え、やがて押しつぶされていく。

以上のように、自らの脳機能障害から「怒り」や「不安」が生じ、それに伴い「ネガティブな思考」に陥りやすく、そういった負のマインドが重なることにより周囲の人との軋轢やトラブルとなりやすくなるのです。

私の今までの就労経験を思い返すと、トラブルの根底には常に「不安」や「怒り」があり、そういった負の感情が引き金となって、様々な対人トラブルを引き起こしてしまった事がわかります。

またネガティブな思考をしやすいということは何事も物事が上手く運ばず、その両方により自分の精神はストレスを抱えやすい状況となってしまう。そしてその状況を誰にも相談出来ず、結果、自分自身の精神状態が押しつぶされ二次障害を生じてしまう。その悪循環パターンを繰り返して、自己肯定感が著しく下がり、引きこもりになったこともあったのです。

今思えば私の場合、ASD特有の「社会的コミュニケーション障害」や「反復的・繰り返しの行動パターン(興味と行動の偏りやこだわり)」、ADHD特有の「衝動性」が最初から起きているのではなく、常に自身の根底にある「不安」や「怒り」「ネガティブな思考」が引き金となり、各障害症状が起こりやすくなり、対人トラブルに発展してしまうという方が自然な見方だと思います。

職場の人間関係トラブルイメージ



負の連鎖を断ち切るには、まず自らの「認知を変える」「感情をコントロールする」そして「ストレスを大きくしない事」が大切。そして自分なりのストレス発散方法を確立しておく。

そういった負の感情を抱かないようにする、またそういった感情が生れてしまったとしても、対人トラブルにならないようにする為にはどのようにしたらよいでしょうか。脳機能の偏りや特性なので治せないのでしょうか。そんなことはありません。

脳はには実は思考の「クセ」があるのです。どんな人にも思考の「クセ」=「認知のパターン」があり、その「認知のパターン」に伴い脳は日頃、省エネモードで働いているのです。
ただその「認知のパターン」が、発達障害をもつ人は上記の様に「不安」や「怒り」という負の感情が起きやすく、「ネガティブな思考」になりやすい傾向にあります。しかしその「認知のパターン=ネガティブな思考」を変えてやることにより、不安や怒りをおさえたり、またそういった感情がわいてしまっても対処できるようになるのです。

これは就労支援事業所などで実施しているSSTや認知行動療法などでも実施できます。
また一人でも行うことができます。それは自分の障害特性を理解し、認知を行う際に違う視点(肯定的に)で物事をみることです。
例えば「なんであの人は私の話を聞いてくれないのだろう」と思うのではなく「あの人はたまたま急な別件が入り、私の話を聞く時間がなかったのだ」と肯定的に捉える事により不安や怒りを抑えるという方法です。

しかし書くことはたやすいですが、脳のクセのため最初はなかなかうまくいきませんし、そう簡単に考え方を変えられるわけではありません。そのため常に冷静に自分を客観的に見ながら、何度もそれらをトライし、あらたに脳に肯定的な思考のクセ付けをしていく必要があります。そしてそれを成功させるには自分の精神状態も常に良い状態でなければならないのです。


それと並行してストレスを大きくしない事が重要です。発達障害を持つ者はストレス耐性が低いと言われ、ちょっとしたストレスが常に精神の重しとなってしまうことから、なるべくストレスを溜めない、ストレスを大きくしない事が大切になるのです。
その為には常に相談できる場所や人を見つけ、自分の感情をコントロールする。すなわち自分の精神状態を安定させておく必要があります。

かといっても人間なのでストレスが全くない生活は不可能なので、ストレスが溜まってしまったらそれを発散できる方法も自身で確立しておく必要があるのです。風船は適宜、空気を逃がしておけば破裂する事はありません、それと同じ考え方です。

私のストレス対処や発散方法は「週5日フルタイムで働かない」「毎週1回のテニス」と「妻との何気ないコミュニケーション」です。

繰り返しとなりますが、発達障害を持つ方は定型発達者以上にストレスを抱えやすく、そのストレス耐性が相対的に低く、二次障害に発展しやすい傾向にあるため、生じてしまったストレスへの対処方法がすなわち自身の生きやすさに直結してくるのです。



もし対人関係で後悔した場合は、相手と修復可能な状況にある時は、なるべく早めに当人に原因とお詫びを伝える。

また仮に自分の認知の偏りや不安、怒りといった負の感情により、他人とコミュニケーションがうまく取れなかったり、相手の気分を害したり、相手を怒らせたりしてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。もうその人とのコミュニケーションを避けなければならないのでしょうか。そのようなことはありません。

もしその相手と修復可能な状態、すなわちまだ傷が浅い場合は、後日でも構わないのでなるべく早い段階で、お詫びをし、己のそういった言動に至ってしまった理由が自分の脳機能障害(脳機能の偏り)であることを説明する事です。傷が深くなってしまってからでは関係の修復は容易ではありません。

説明の際には、自分では決してその気があってそうしたのではなく、自分の脳機能=障害特性が勝手にそのようにしてしまっている事を説明し、相手に理解してもらうことです。そして必ずお詫びを入れ、自らも直そうと努力している点を説明する事です。そしてもしその相手と良好な関係がを保つことができれば、相手もあなたの気持ちを理解し、あなたの味方となってくれることでしょう。

現在の私も仕事上、こういったケースに遭遇する事はあるのですが、そういった際にはメタ認知機能(自分の状況を客観的に見る)を働かせ、認知を変え(物事を肯定的に捉えるようにする)、早めに当事者へお詫びや障害特性を説明し、対人関係の修復に努める事により、ストレスが大きくならないよう心がけております。

そうする事により相手は「きのやんさんはこういう障害特性があるので、このような発言や言動になりやすいのか。ではこのように接するようにしよう」という考えが相手に生れてきて、相互で障害特性を共有する事で、当人とのトラブルを未然に防いだり最小限に抑えたりする事ができるのです。(障害を公表していない方は「脳機能障害」という表現ではなく「〇〇のような傾向がある」と説明しておくと良いかもしれません)




発達障害と上手く付き合っていくためには「ストレスにさらされにくい環境に身を置く」または「ストレスにさらされても対応可能な状況に常にしておく事」が重要。

以上のように、ASDとADHDを併発していると「不安」や「怒り」、「ネガティブな思考」という負の感情に支配されやすくなるが、それを「認知の仕方を変える」「感情をコントロールする」などしてストレスを大きくしない事が大切だと述べました。

そしてそれと併せて、

なるべく周りの人が障害に理解があり、ストレスにさらされにくい環境に自分の身を置く事。
万が一ストレスにさらされても相談できる場所や人を見つけ、常に相談できる状況にしておく事。
そしてストレスを発散できる「何か」を見つける事。

以上の3点が発達障害をもつ私たちにとってのストレス対処方法なのです。

あなたも「認知のクセを変えてみたり」「感情をコントロールしたり」「ストレスへの対処方法を見つけたり」してみて自分で工夫する事により、あなたの人生は今よりずっと生きやすいものとなるでしょう。

ストレス発散イメージ


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