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【労働者側】当事者が教える「発達障害の人は就職できない」と諦める前に、障害者雇用という選択肢と障害者雇用で重要視する3つのポイント

就労イメージ1

本ブログでも就労において発達障害者が適職をみつけ就労を続けて行くためには「自身の障害特性を把握する事」の他に「障害を周りに共有する事」の2つが大切だと触れた。

発達障害を持つ方が円滑な社会活動を行うには「自分の理解」だけでなく「周りの理解」も必要不可欠なのだ。
特に私の様にいままで発達障害が見過ごされてきて社会人を長くやってきた方たちは、いつも同じパターンで社会活動や就労活動に躓き、原因不明の強いストレスと挫折、社会や会社への不満をお持ちで引きこもられた方も多いと思う。その原因は自身が発達障害である事を理解できず(自分の理解がない状態)、周囲も同じように私たちが障害者である事を理解できていなかった(周りの理解がない状態)からに過ぎない。その為、逆にその2つをクリアできれば自身の社会活動や就労は劇的に改善するのである。

でも発達障害を持つ方は周りの環境は自分ではどうしようもできない為「発達障害は就職ができない」と諦めるしかないのであろうか?いいやそんなことはないのである。
発達障害を持つ方でも就労は可能であるし、就労機会も当然、与えられている。障害をお持ちの方でもその障害に配慮がある環境で働ける環境がある。
どういったものか紹介していこう。 

自分は精神障害者であると割り切り、障害者雇用を目指す

 

障害者雇用向けの就労支援サービスを受ける

 

企業が発達障害者を障害者雇用するにあたって重要視する3つのポイントとは

 

自分は精神障害者であると割り切り、障害者雇用を目指す

まず発達障害を持つ方が「自分の仕事」という形で仕事を選ぶ際にしがちなのが、一般採用でまず職種から探す事だ。それは私としてはあまりお勧めできない。

なぜかその理由は上記にあげた発達障害者に不可欠な「自分の理解」と「周りの理解」のうち、自分の理解しかできておらず、周りの理解がない状態だと就労を続けるの事がストレスや困難となるからである。

私の場合は転職を繰り返していた時(ほぼ常にであるが)は、自己理解がなかった時(自分がまだ発達障害だと分からなかった時)であるが、就職する会社の社員は当然私を健常者(定型発達者)だと思い接してきていた。しかし就労をしていく上で発達障害特有の悪い特性が発生してきて、周りの社員たちは「なんかこいつおかしい」「なんか生意気だな」「なんだこいつは?」そういったような感情を抱き始めたに違いない。そうして当人である私も自身が障害者だと微塵も感じていない為、自分の障害特性からくる困り事に目を向ける事が出来ず、対処もできない状態である。

そんな状態が双方続けば、当然、人間関係に亀裂が生れ、やがて私を排除する事に向かうか、自身がストレスで押しつぶされていくか、は時間の問題となる。そういった経緯から発達障害に対して周りの理解がない状態だと正直就労を続けて行くのが困難となってしまうのである。発達障害とはそういうものである。当人達+周りの人が当事者を障害者だと認識していないのである。ただやはり双方どこか歯車が噛みあっていないのである。

なので私と同じような境遇の方で「私自身障害者だと認められない」「いまさら障害者なんて言えるかよ」「今更、障害者雇用なんかで働ける訳ないだろ」という方は多いのではないだろうか?それはある種致し方のない感情だと思う。しかし当ブログでも何度か述べているように発達障害者が困難を乗り越えていくためには自身の障害を認める事。それからでないと何も始まらないのも事実である。

自分を障害者だと認めず、今まで通りに発達障害の症状が出たまま一般就労を続けると、様々な困難を抱え、精神的負担が増え続け、いずれ再起不能の状態に陥る可能性が高くなる。今の日本の現代社会では発達障害者が上手く立ち回れる社会的構造になっていないのも事実である。そもそも社会活動や就労で様々な困難が増す、生きづらさを抱えるという事は裏を返せば、そのこと自体がすでに「障害=さまたげ」となっているのである。

なので特に仕事上でその困難を如何に減らし、働きづらさを如何に減らすか=障害(障壁)をすこしづつ取り除いていく事が発達障害を持つ私たちには大切な事なのだ。

まず「自分は障害者(特性上、社会的不利益を被る人)なんだ」と割り切る事が大切である。私なんかは今ではどこでも臆する事なく堂々と障害者だと名乗っている。妻の扶養の保険証には自作の発達障害者シールを貼り、バスの時も障害者手帳を見せ、障害者割引で安くなるものは臆する事なく障害者手帳を提示し、今では水戸黄門様の紋所ならぬ、あらゆる事で障害者手帳をみせ、自己発信し自分は障害者だとアピールしている。いったん自分自身で認めてしまえば、清々するし、ものすごく生きやすいのである。むしろ私自身は厳密には発達障害自体を「障害」とは思っておらず、~症候群や、~の傾向が強い人、クセの強い人というような解釈をしている。

その為に発達障害者が仕事を続けやすくするには、就労においては一般採用で辛酸を舐めるより、割り切って周りの理解が得られる障害者雇用で働いた方が働きやすいのである。先に一般雇用から選びがちであるが、仮に一般雇用で採用されたとしても上記経緯から、周りの理解が得られない状態で就労を続けていても、辛くなるのは自分である。疲弊して続けられなくなるのがオチである。

反対に周りから自分を発達障害者だと理解されているほど自身は働き易くなる。自分と周りの認識が同一である為、困り事にも対処しやすくなる。そして雇用元が理解してくれるから安心して働ける。はやり仕事は従業員と雇用側、従業員同士の信頼がないと成り立たないのだ。
障害者雇用で不満が多くなるのは自身を障害者だと割り切れていないからだともいえよう。続けられる仕事があるだけ幸せだと考える事も大切なのだ。(私は今は就労支援事業所でアルバイトでピア職員として働いているので障害者雇用みたいなものである)
また法定雇用率の問題で企業は一定の障害者を雇わなければならなっており、法定雇用率も年々引き上げられている。そういった事も当事者は逆手にとっていきたい。私たちは今売り手市場にいるのである。逆に己の障害をメリットと捉えればよい。

ただ星の数ほどある企業において、障害者雇用がどの企業も障害者にとっては理想的な職場で、必要な理解が得られ、適切な配慮がなされているかと言えば残念ながらそうではない事も事実である。それは通常の一般採用の職場においても言える事だ。どうしても勤める会社、働く職場との相性に左右されるのである。人が集まればその数だけ相性はある。それはある種致し方のないことと言えよう。
その為、就労支援サービスを選ぶのと同じように、障害者雇用の仕事選び、職場選びには慎重になる必要がある。ただそういった就労支援サービスを利用しておくことによって、万が一、障害者雇用先の企業が合わず転職する場合も退職の理由付けと、転職先選びがスムーズにいくのである。

 

発達障害は仕事ができない、仕事が続かないと嘆く前に活用したい就労支援サービスフローチャート

当事者が教える 発達障害を持つ方にオススメの転職エージェント

 

 

障害者向け就労支援イメージ

 

ただ障害者雇用で就職したくても、診断で発達障害と診断されず、障害者手帳を取得できない方もいらっしゃると思う。現在、医師の発達障害診断基準のひとつにはDSM5(アメリカ精神医学会の精神疾患の診断基準・診断分類)やICD(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)が多く使われるため、問診の際に規定の個数以上当てはまらないと発達障害と診断されないケースがおおい。そしてそれだけでなく幼少期の生育状況やWAIS知能検査など複合的な項目で診断される。要は発達障害と診断されずにグレーゾーンとなる人も多いのである。発達障害は脳機能の偏りの為、明確に「どこからが発達障害である」と線引きするのは非常に難しいのだ。その関係で社会生活上困難を抱えるものの診断が下りない方もでてくる。

これは発達障害を含めた精神障害全般に言える事だが、どこまでが健常者でどこまでが障害者なのか?定義があいまい且つその定義を形作る診断基準や診断分類がいまだもって流動的である。したがって診断においても診断される方もいれば、限りなく近いが診断されないという方もおり、障害者雇用においても、その雇用する基準が「医師により発達障害であると診断され、尚且つ障害者手帳を持っているか否か」に限定されてしまっている為、このような状況となってしまうのだ。もう少しグレーゾーンの人も救える社会システムとなってほしいと願うばかりである。

その為、障害者雇用においては障害者手帳が必須となる関係でグレーゾーンの人たちは残念ながら障害者雇用を受ける事ができない。当事者が選べる選択肢としてはセカンドオピニオン(セカンドオピニオンでも障害の問診項目は同一なので診断されない場合が多いと思われる)や、自身の障害特性と適性をしっかり見極めた上で、その特性にあった仕事や職場に就くようにする。障害特有の困り事の症状が起きても、残念ながら周りのフォローは期待できない為、自身でその障害特性による困り事に対処できる術を身に付ける。そしてもし職場理解があるところであればあえてグレーゾーンを公表してオープンで就労するという方法もある。ただやはり自分だけの対処のみでは社会生活上の困難を克服することは容易ではない。

 

障害者雇用向けの就労支援サービスを受ける

 以上の様に、まず自分が精神障害者である事を認めたうえで、障害者雇用に向け転職活動をする事が重要である事を述べた。そのうえで必要な準備方法だが、少々ながくなるが詳しくは下記リンクに書いてあるので時間があるとき参考にしてほしい。


【労働者側】当事者が教える「発達障害の人(又は疑われる人)は仕事が続かない、仕事がうまくいかない」と嘆く前に、適職に就く為の最も大切な3つのステップ


自身の障害特性が理解できたら(また適職把握ができたら)自ら受ける就労支援サービスをを検討していくのだ。一般的に企業の障害者雇用を目指すのであれば、民間であれば就労移行支援事業所または障害者向けの転職エージェントサービス、公的であればハローワークのなど大きく分けていずれかとなろう。この詳細も上記リンクに記載しているので参考にしてほしい。
民間の転職支援のサービスの中で障害者雇用を目指す場合、ざっくり言えば就労移行支援事業所の「トレーニングを積みながら障害者雇用を目指す」と、障害者向け転職エージェントの「早期に障害者雇用求人を探す」方法となる。みなさんの置かれた状況や自分の望む内容によって変わってくるのでこちらも下記フローチャートを参考にしてほしい。


発達障害は仕事ができない、仕事が続かないと嘆く前に活用したい就労支援サービスフローチャート


 発達障害を持つ人が就労に就く前にまずやるべき事は「自身の障害特性を把握する事」、その次に「その障害特性を元に適職を見つける事」に尽きる。それを自ら一人で行うか、上記就労支援サービスの担当者と二人三脚で行うかである。就労支援サービスを利用するという事は就労に向けたトレーニングを受けるという事だ。それは仕事に例えると、就労支援の担当者=就職先の職場の人との「コミュニケーション」そして「人間関係構築」と同じである。そこでしっかりと信頼関係を築き、自身の強みや弱みを理解し、その障害特性に合った仕事=求人をさがしていくのである。

その為、あなたは「自身の障害特性の把握」を始めた段階で既に就労に向けての準備を始めているのと同じなのである。ただ発達障害を持つ人は、その就労準備の段階で専門家のフォローが必要となってくるのである。発達障害者支援法ガイドブックにも記載されているが、私のような「発達障害をもつ人の就労は、困難な事、苦手な事は回避し、興味や長所を生かせる仕事に就くことすなわちジョブマッチングが大事であるが、そのためには求職活動の早期から就労支援の専門家が関与する事が重要である」と明記されてある。

そこで専門家の支援の下、障害者雇用で自身の障害特性や適性にあった仕事を探し当ててほしいと思う。
最下部にて就労移行支援サービスの体験利用と転職エージェントの登録ができるので、是非活用してみてほしい。

 

企業が発達障害者を障害者雇用するにあたって重要視する3つのポイントとは

障害者雇用といっても 障害を持っている方であればだれでも入社できるわけではなく、当然、就職先の企業が求める人材でなければならない。これは一般雇用も同様である。

そのうえで障害者雇用に向けて就職活動するうえで最も大切な事を述べたいと思う。
ようは就職する企業が自分の会社に雇い入れるうえで、障害をもつ労働者に何を一番重要視しているか?雇い主の視点から考えていただければわかる話である。

 

【障害者雇用の際の大切な3つのポイント】

・自分の障害を認め、障害特性を説明できるか
(自分が発達障害である事を認め、その障害特性を雇用元に説明できるか)

・わが社(就職先企業)の職務を遂行する能力を持ち合わせているか

・就労が安定しているか(勤怠状況は良いか)



以上3点である。2番目と3番目は一般雇用でも重視される点である。

したがって障害者雇用においては特に「自身の障害を認め、障害特性を説明できるか」が重要となる。私も就労支援施設で働いているが一番肝心な3番目の安定通所(安定的に事業所に通所する)が出来ていない方がほとんどなのである。
逆に言えば上記3点を満たせていれば、障害者雇用において就職先に困らないということになる。

以上の事から上記3点をトレーニングしていくために就労支援サービスの利用が重要となってくるのである。

 

発達障害は仕事ができない、仕事が続かないと嘆く前に活用したい就労支援サービスフローチャート

当事者が教える 発達障害を持つ方にオススメの転職エージェント

 



日本はここ20年の間、発達障害支援法、障害者差別解消法など発達障害者向けの法整備は勧められてきたが、元はといえば世界から障害者支援において遅れをとっており、国連などから勧告を受けて尻を叩かれてから法整備されてきた苦い歴史がある。発達障害も最近になり認識され始めてきたばかりではあるが、見えざる障害である為、まだまだ人々の認識と理解が追いつくのには時間がかかるであろう。
そのような中において私たち発達障害を持つ当事者はいかに自分の人生が豊かに楽しめるべきものになるかどうかは、こういった必要な情報を仕入れ、理解し、己を知り、体験、実行して実現していくしかないのである。

あなたの未来はあなたの手でしか変えられないのである。

 

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